【49歳のつぶやき】席を譲って、譲られて

9月の三連休、家族で夫の実家まで出かけた。
二泊三日と短かったけれども、楽しい時間を過ごし、「また年末ねー」と元気よく手を振って別れた。

夫の実家から新幹線と私鉄を乗り継いで、いよいよ最後の路線、馴染みの電車に乗り込む。移動、移動でヘトヘトなので、始発駅から乗れるように(=座れるように)ちゃんと計算済みだ。
家族4人、どかっと、堂々と、我が物顔で席を取って、「さ、家まで連れて行っておくれー」と疲れた身体をシートに預けた。

降車駅まであと2〜3駅というところだっただろうか。
年配のご夫婦が乗ってきた。
席はすでに埋まっていて、立っている人も多い。
私はこういう時、わりとササッと行動にうつせるタイプだと思う、「どうぞ」と席を譲った。

夫と私の2人分の席でよかったのに、子どもたち2人も立ち始めてワチャワチャしたけど(笑)、ご夫婦は「ありがとねー。」と喜んでくださって、「ああ、よかった」と安堵した。

その10秒後、くらいだっただろうか。
私の背中をつつく指。
「え?」と振り返ったら、「どうぞ」と若い女性が席を立った。

え? わたし?

と思った瞬間、なぜか隣の男性も席を立ち(多分、女性と知り合いではない)、二人分のスペースが空いた。

車内は混み合っていて、ここのスペースに座りたい人はきっといただろうに、「ラッキー!」と滑り込むような傍若無人な輩はおらず。
自分の目の前にスコーンと開けた座席と、なんとも言えない空気に気圧されて、はい、すごすごと座りましたヨ。

* * * * *

何故かスローモーションな景色の中、ガタンゴトンと揺れる車内で、一緒に席を譲った夫の背中を見つめながら、どうしてあの女性は私に席を譲ってくださったのかを考えていた。

・年配の女性に見えた? 49歳になったばかりの私ですが、油断して猫背になっていたのだろうか。服装は、新幹線にも乗るし、きちんとした外出モードで、おばさん全開ではなかったはず。
・私の行いを讃えてくださっての行動? 
・子どもたちが孫に、夫は息子に、見えたのだろうか。

色々なパターンに思いを巡らせながら、決着がつかない中、一つだけ確信していたことがある。

それは、席を譲られて(疑問には思ったけど)、素直に、なんなら「ありがとうございます」も添えて、席に座った自分は偉いぞ、ということ。

* * * * *

前にも何度か混み合う車内で席を譲ったことがあったけれど、一度だけ「そんなに歳をとっていない」と嫌がられ、断られたことがあった。
オーマイガッ、中腰のわたしよ、どこへ行く。(ま、座り直しましたが)

不快な思いをさせたのかもしれない。
が、とても悲しかった。こっちもそれなりに考えて、勇気を出してとった行動なのになあ、なんて思った。
その一方で、私の自己満足なのかなあ、と自問もした。

なので、この先、席を譲られることがあったら、素直に座ろうと思っていた。けど、まさかこの年齢で席を譲られるとは 笑。

あの女性と再会できるのなら、意図を伺いたいなあ〜。
どんな意図にせよ、ありがとうございました!



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