鼻をかみまくったら、副鼻腔炎が解消した話
9年ほど前、二人目を妊娠中に副鼻腔炎を患ったことがあった。鼻の不調を通り越して、まぶたがほんのり熱を帯び、頭の中は温帯低気圧が渦巻くようにボーッとした。
なんとも言えない不快感に白旗を上げ、耳鼻科で診察してもらったのだが、「抗生剤を飲めばすぐに治るよ」という診断でホッとした。
が、それも束の間。「妊娠とかしてないよねー」と「100%妊娠はない」という態度で声をかけられ、「あ、いえ、先生、いま妊娠しています」と伝えたら、「え? 妊娠してるの?」と目を丸くされた。
「抗生剤、使えない。」先生は肩を落として言った。
「え、使えないんですか」私も思わず視線を落とした。
先生は続けた。
「毎日、鼻をかんでかんでかみまくれ! 鼻の中の液体、粘液を出して出して出しまくれ!」
なんつー原始的な。しかし、薬を使えない身となった私が副鼻腔炎を治す方法はこれしかないということだったので、言われた通りに鼻をかみまくった。はじめは鼻先に感じる奴らを必死に外に出していたが、やがてその奥で渋滞していた奴らにも手が届くような感覚になってきた。
手応えを感じるようになって、私はさらに鼻をかみ続けた。そうしているうちに、目のまわりをなんとなく熱くしているもの、頭の中をぼうっとさせているもの、頬あたりに鈍い痛みをもたらすもの、それら全てが霧散していくような感覚を覚えた。ーーそう、副鼻腔炎が治ったのだった。
デトックス、と表現して良いのか分からないが、鼻水を出す=毒を出すということだろう。
「薬なしでも、治すことができるのだな」と、目から鱗な経験となり、成功体験として私の記憶に刻まれた。
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それが良いことなのか、あまり良くないことなのか分からないが、体の不調を感じても、とりあえず自分でなんとかしよう精神が働く。
もちろん、いかにもインフルエンザだったり、明らかにコロナだったりした時は、速攻近所のクリニックに駆け込むが。
しかし私も50歳。「自力でなんとかしよう精神」だけでは乗り越えられないことが、これからは増えるだろう。成功体験を過信せず、時には負けを認めて病院の扉を叩くことも必要になるに違いない。
ところで、10日ぐらい前に引いた風邪が、なかなか完治しない。熱こそ下がったが咳が落ち着かないのだ。そろそろ見極めるタイミングだろうかと、迷いに迷っている。
★2024年12月は、1日1掃除!★
14日目:少し大物に取り掛かった。浴室の洗面台をパカっと外して、丸洗いしたのだ。黒カビちゃんがえらいことになっていました 泣。だけど、洗って干したらスッキリしたー。