かわいい顔して実は〝いけず〟?「ちっちゃめ」を解剖する
過日。
夫は馴染みのインドカレー屋へ行って、ナンとカレーのランチセットを頼んだらしい。美味しかったのでナンのおかわりを頼んだが、その時に「ちっちゃめで」と一言添えたのに「大きいサイズのが来た」のだそうだ。
えー、そうなんだあ、インド人のお兄ちゃん、わりと日本語流暢だったけどねえ、聞き逃されたかなあと話していたのだけど、よくよく考えたら、「ちっちゃめ」って。
可愛らしい響きだけど、わかりづらいんじゃない? 「ちっちゃめ」って、日本語の文法として解剖すると、けっこう複雑な、なんとか活用ありの、なんとか止めありの、なんか色々な用法が集まってできた単語みたいなのじゃないのかしらん。
と思って調べたら、なんと「ちっちゃい」は大阪弁だった。
そして、「ちっちゃめ」の「め」は接尾語の謙譲語なのだそうだ。
これまたびっくり。「め」には敬意を表す意味合いがあるのですね。
夫が使った言葉は
・実は大阪弁だった「ちっちゃい」に、
・「謙譲語の接尾語」の「め」が添えられ、
・さらに助動詞なのか?「で」まで追加されている。
ややこしい。
一見いかつい「五臓六腑」とか「魑魅魍魎」なんかの四字熟語の方が、組み立てがシンプルでよほどやさしいのではないだろうかと思ってしまった。絵に描けるし。
「ちっちゃめ」は可愛く装おった〝いけず〟さんだ。
最近、コンビニや病院などで、アジア系の方と接する機会が多い。これからもどんどんこういった機会は増えるだろう。
本当のところの「やさしい日本語」を使える大人になりたいなと思った。
「小さいサイズでお願いします」とかね。