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「食べたいものがある」という幸せ

「食べたいものがない」という状況が、これほど虚しく、足取りを重くするとは。

今晩の献立のことでした。仕事帰りにスーパーマーケットに立ち寄るも、なんだか食べたいものがなく、無難にお刺身を買って帰りました。

食べたいものがない、というと語弊がありそうです。食べたいものを思いつかない、が正しい。今日の私と来たら、どんな食材を見ても、それはいつまでたってもただの食材で、頭の中でおいしく化けない=調理のアイデアが出てこない。「世の中にはどんなおいしいものがあったかしらん」と惣菜コーナーへ向かうも、「はあ、マカロニサラダね」「なるほど、カツ丼」とため息ばかり。
なぜだ!うーーー、なぜだ!何を見てもピンと来ない!と少しずつイライラが募ってきて、「もういい!」とブロッコリとほうれん草、ツバスと鯖のたたきのお造りをカゴにぶち込んで帰宅したのでした。

家には数日前に作った筑前煮と豚汁があり、それにお造りを足したらまずまずの献立になりました。めちゃくちゃ楽ちんでした。だけど、心はちっとも楽しくありませんでした。(同じ「楽」という漢字なのにね)

片付けをしながら、急に「食べたいもの」が降りてきました。
炊き込みご飯だ! わたし、炊き込みご飯が食べたかったんだ! 
視界がパアッと明るくなりました。明日もスーパーマーケットに行って、ゴボウを買ってこようと、とてもウキウキした気持ちです。

食べたいものがあるって、実はとても幸せなことなんですね。

単純に、私のレシピのバリエーションが少ないだけなのも否定できないので、美味しい家庭料理を検索して眺めることとしましょう。

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