車の進化 - でもレトロなデザイン良くない?
タコマにいる間に息子ちゃんと寄ってきたAmerica's Car Museum ー 車博物館。車の排ガスが地球温暖化や大気汚染の原因の過半数を占める、とか、車の事故による死者の数はガンや心臓病でなくなる人の数より多い、とか、何かと悪者扱いされる車だけど。。。 私も息子ちゃんも車大好きなのよね。
車があるから遠出するのも簡単だし、お買い物に行って買い過ぎてもサッと帰ってこれる。確かに世の中には迷惑な運転する人もいるし、もうもうと煙を吐きながら走っている車もいるが。便利な毎日を過ごすうえで欠かせないものである、とも思うのだ。
そんなわけで、ワクワクしながら中に入る息子ちゃんに比べるとちょっと複雑な気分だった私です。けれど中に入って車の歴史と、どのようにして車の技術が発達していったか、そして昔の車がいかにグラマーなデザインに仕上がっていたか、なんてのを見ると、車はもっと感謝されていいんじゃないですか?と思わずにはいられなかった。
歴史的に、Internal combustion のエンジンが発明され、それまで馬車だった乗り物が馬なしの乗り物になった時代、車はまさに、「馬なし車」(Horseless Carriages)と呼ばれていたそうな。そして車の製造も馬車を作る職人さんたちが手掛けていたので、自然と車の形、デザインも馬車の形をそのまま馬無しにしたデザイン。すべて手作り。シートの皮もすべて手作業。こんな感じに窓にはランプがついていたものもアリ。
この頃の車は手作りだからお値段も高くて高級品。庶民が買えるものではありません。一台一台、丁寧に作られたものだから、それこそ100年以上経ってるけど、今の時代までも保存状態よく残っているものが結構あるんだそう。
中を覗き込むと、とても優雅な感じがする。
そんな高級「馬無し車」の写真をパシャパシャやりながら回っていくと、実は初めて実物にお目にかかる、フォードのモデルT。フォードが初めてコンベア式、というのか、Assembly line を使って大量生産をした乗用車。そして庶民にも車の時代の到来。
それまでの優雅なラグジュリー・カーから一転して、形は残っているが、シートなんて駅のベンチ並み。窓も布になっている。タイヤもかなり無機質な感じ。
馬車よりスピードも出ただろうし、馬の世話をしなくていい、などの得点あったんだろうけど、この車で長距離は旅行できんわ~ と思わずにはいられない。
さらに進むと、4階建ての博物館はほとんどがクラシックカーの展示になる。クラシックのレーシングカーとかね。私は車に詳しくないからみんなレトロな車に見えるんだけど、すべてがドーンと大きい車ばかりでなく、かわいく丸い車もたくさん。そして何より、レトロな車はボディーの色が優しいなぁ、と思う。
この上の写真の赤い車は二人乗り。前後タンデムで二人乗りなのだ。遊園地の乗り物みたい。
こんな飛行機になりたかったのか?と思える車。こんな車を運転出来たらいいな~~~~~
こんなレースカーもあった。
博物館を訪れたのは旅行の終盤で、この後ロサンゼルスへ向けて1日半のロードトリップ。その道中、自分たちの運転する車も含めて周りの車はみんな現代の機能重視のデザイン、ボディーの色合いだって一般的なシルバー、赤、黒、白なんかで、ちょっと違ってもパールの入った水色とかオレンジ程度。車に乗ること自体を楽しむって感覚じゃないよね、とちょっと悲しくなってしまった。
日本ではレトロなデザインの最近の車が結構走ってるけど、アメリカでは需要が無いのかしら。車が何かと悪者扱いされる今日、もうちょっと愛嬌がある、というか親しみを持てるデザインの車が街を走ってても良くない?アメリカでもレトロデザインの車復活して欲しい。
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