未来予測はどうやるのか 〜トランシット占星術〜
今日も引き続き西洋占星術解説をしていきます。
これまでは出生ホロスコープを扱ってきました。
出生ホロスコープは生まれた瞬間の天体配置図であり、それを読むことでその人の性格、資質、人生の大まかな流れを見るものでした。
出生ホロスコープだけでもざっくりとした人生の流れは見れるのですが、
もっと具体的に、近い未来に何が起きるかを見たい場合にはそれに特化した未来予測の手法を使います。
いくつか種類はありますが、今回はトランシット法を紹介していきます。
まずその前に、未来予測についての私の考えを書いておきたい。
私は占い、特に西洋占星術が好きですが、いわゆる未来予測や予知系の占いは正直あまり好きではありません。
未来予知が好きではない理由はいくつかあります。
まず一つ目の理由。
私にとって占いとは、本来の自分がどんな存在なのかを知り、そこから気づきを得て、自分自身で未来を作っていく際のヒントとして活かすものです。
自己理解(もしくは他者理解)に使えば占いは確かに役立つものだと思います。
ただ、未来予知と言ってしまうと、あらかじめ決められていて絶対に覆らない未来があるようなニュアンスがありますし、
それに対峙する人間の努力や意思を一切無視するような考え方はどうなんだ、と思うからです。
人間の努力や意思(いわゆる自由意志)でどうにも出来ないのであれば、そもそも前もって知ることに意味があるとは思えません。
知ろうが知るまいが結果は変わらないのですから。
もちろん現実問題として、人1人の自由意思や努力で何もかもどうにかできるわけではありません。
どうにもできないことはあります。
人間にはどうにもできない長大的な作用(運命)と、人間でもどうにかできる自由な範囲が両方存在するというのが、
一番しっくりくる見解です。
人間はただただ受動的に運命に巻き込まれる非力な存在である、という考え方が嫌だから、というのが
未来予知が好きではない一つ目の理由です。
占いをうまく賢く使う際に未来予知はあまり必要ないと思うのです(出生ホロスコープで充分)。
未来予知系の占いが好きではない二つ目の理由。
これまでの未来予測が実際によく外れているからです。
ノストラダムスは1500年代の占星術師でした。
1999年に人類滅亡の予言を出していましたが、実際に外れています。全然滅亡していません。
過去には当たっている未来予知も色々とあるのですが…
そもそも私は当たる、当たらないの占いがあまり好きではないのです。
占いは先程書いたように自己理解を進めてよりよく生きるために使っていく道具なので、当たった外れたというだけであれば占いをやる意味がそもそもないと思うからです。
まあ、自己理解や気づき、人生の目的などといった話は地味というか、客観的に他人が見れるものではないので、
物理的に当たる、当たらないが確認できるものが注目されるのは仕方ないとは思いますが。
ではトランシット法の解説に入ります。
以前相性を見る際にも用いたダブルのホロスコープ、二重円の手法を使います。
10個の天体は今この瞬間も動き続けています。
特定の時点の天体配置のホロスコープを作り、それをその人の出生ホロスコープと重ねてアスペクト(天体同士の角度)を見ることで未来予測をする、という仕組みです。
ホロスコープはとても応用がきくので、人だけでなく、特定の日にちのホロスコープ、国のホロスコープや、会社のホロスコープなんかも作れます。
さて、10天体×10天体のアスペクトとなると結構な組み合わせの量です。
どこに着目すればいいか?ですが、
トランシットで見る時は、
出生時の太陽、月、水星、金星、火星、(ASC)、(MC)
占う日時の木星、土星、天王星、海王星、冥王星
のアスペクトに注目すると良いです。
特にタイトなアスペクト(角度がより正確)が重要です。
トランシット図はこちらで無料で作れるので試してみてください。
三重円
N-Tのアスペクトを表示
とすると、出生時と特定日時のアスペクトが確認できます。
私の出生図と現在(2024/4/12)のアスペクトを見てみると以下のような感じでした。
先ほどの注目すべき天体のみに絞り、さらにアスペクトがタイトな順に並べると、
・出生の金星とトランシット冥王星のスクエア
・出生の太陽とトランシット冥王星のトライン
・出生の太陽とトランシット海王星のオポジション
となります。
これらを読んでいけばいいということになります。
なぜトランシットは木星以降に着目するかと言えば、
木星以降は同じ位置に戻ってくるまでにかなり時間がかかるため(動きが遅い)、
アスペクトが出来ている時はレアなタイミング、重要なタイミングと言えるからです。
ちなみに公転周期の一覧はこちら。
月は28日で一周するので早すぎて、タイミングを見るのには適しません。
木星以降になると一周するのに10年以上かかってくるのでタイミングを見るのに良いでしょう。
それに対し、動きの早い天体は日々のムードを見るのに適しています。
さらに出生図の場合、土星以降の配置は世代で一致してくるため、個別的要素を見たいときは動きの早い天体で見た方がいいです。
さて、では先ほど注目すべきアスペクトとして拾い上げた3つを読んでいきます。
・出生の金星とトランシット冥王星のスクエア
→かなりタイトなスクエアです。ほぼ90°。
この場合かなり影響力が大きいです。
根底からの変容を表す冥王星が愛や美の金星にハードアスペクトをとっているため、恋愛面で何か大きな変化があるかもしれない時期。
それも楽しいばかりではなく、衝撃的な、望んでいなかったような変化である可能性が高いです。
あるいは美容、今まで生きる楽しみだったものについて、突然大きな変化が現れる時期。
・出生の太陽とトランシット冥王星のトライン
→根底からの大きな変容を意味する冥王星が個人の太陽に穏やかに作用している時期。
ハードアスペクトのように激しい影響ではなく、トラインなので穏やかにゆっくりと、個人が変わっていく時期です。
変化がゆっくりなので本人は気づきづらいでしょうが、変化の深度は深いです。
以前までとは生き方、人生の歩み方が変わってしまうでしょう。
・出生の太陽とトランシット海王星のオポジション
→夢や幻想などを表す海王星が太陽に影響を与える時期です。
これは良い意味でとらえれば将来への意欲や意志の力がこれまでの垣根を超えて大きくなる可能性を示しますが、
悪く捉えるなら現実を見失い将来の具体的展望が見えなくなるかもしれません。
アルコールなどにハマってしまう可能性も。
私は最近ちょっと酒量が増えてたのでこの辺りが影響していたのかも。
総合すると人生の方向性や意思が根底から大きく、ゆっくりと変わる時期。
そこに時々夢のような、スピリチュアル的な影響が介入してくる。
愛や美の面では事故的な変化がありそう。しかもその影響は大。
という感じになります。
ただ、トランシットで大事なことは、トランシット天体は動いていくということです。
瞬間だけを見るのも役立ちますが、アスペクトをとる期間に幅があるので、それもチェックした方が今後どんな流れがあるのかわかりやすいです。
試しに以下のサイトで今後数年間の動きを見てみましたのがこちら。
トランシット冥王星×太陽、金星のアスペクトは2024〜2026年まで続くことがわかります。
2年ほどは根底からの変容の時期になりますね。
さらにそこには愛、美などが関わってくるはずです。
海王星はこれからアスペクトをとる時期に入り、それは2024年後半〜2028年頃まで続くことがわかります。
だいたい4年くらいでしょうか。
この出生図の方は私なのですが、個人的にこれは占いとの関わりを示すのではと見ています。
こんな感じで、トランシットについては特定の時点を読むだけでなく、
数年間などの幅を持って動きを見ていくことも大事です。
未来予測編いかがでしたでしょうか。
少々複雑だったかもしれません。
特定の時点の運勢や、今後数年の流れを知りたい方はホロスコープ鑑定からご依頼いただければ、トランシットでも占いますのでその旨記載の上お申し込みください。
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