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僕がコーヒー店をはじめたきっかけは、障がいのある娘が生まれたところからだった。

訪れてみたいコーヒー店がありました。

先月、市役所前の広場で開催されたマルシェに出店していたコーヒー店。
スタッフの女性とお話しすると、コーヒー焙煎所だけど、障がいのある方が働いているのだ(就労継続支援B型事業所)と教えていただきました。

利用者の方が丁寧にコーヒーを淹れてくださったこと。
車椅子の方が私のところまでコーヒーを運んでくださったこと。
みんなでテイスティングしてオリジナルブレンドを作っていること。

そのような様子をお聞きしたのが心に残り、出かけてみることにしました。

閑静な住宅街のなかにあります。
カウンターから広く見渡せる店内。

お店に入りメニューをみていると、

「ウカイさんじゃないですか?」

少し高めのトーンでそう言ったのは、先日のマルシェで説明をしてくださったスタッフの方。

私が「ああー!マルシェのときの…」と発すると、女性は「わあーー来てくださったんだ。うれしいです!」と顔をほころばせました。覚えてくださってたんだ…嬉しい。

そんな私たちのやりとりを見て、なかから社長さんも出てきてくださいました。
コーヒーをいただきながら、社長さんとお話しすることに。

店内は、広く見渡せてとっても明るい。
手前のほうはカフェ用カウンター、奥のほうはバックヤード。利用者さんたちが、作業する様子が垣間みれます。

みなさん、お揃いのデニム生地のユニフォームをきて。大きな焙煎機や、お店のロゴ、インテリアもオシャレで。福祉の「作業所」のイメージとはちょっと違います。

それは、社長さんもこだわったところなのだそう。

僕、もともと福祉は未経験で。

娘が生まれたんですが、先天性の障がいがあることがわかって、それがきっかけでこの分野に興味をもったんです。娘は生まれて3ヶ月で亡くなってしまいましたが、娘が生きてたらこんなふうに関わってあげたい。そう思って、障がいのある子たちの、放課後等デイサービス事業をはじめました。もう、10年以上やったことになるかな。

そうこうしているうちに、そこを卒業する方たちも出てきて。娘も生きていたらちょうどそんな歳で。障がいのある方たちが大人になって社会ではたらくには?ってことを考え始めたんです。

はたらく場所ではみなさん楽しくいてほしいし、だからこそ明るくオシャレにしたい。
福祉の作業所って商品を安く価格設定することがあるんですが、ここのコーヒーは適正な価格で売りたかった。

私は、うなずきました。
福祉の現場にいたとき、作業所の工賃がとても安いという現状を知りました。1月に何千円という金額に、どうにもならないもどかしさのようなものを感じていたからです。

コーヒー豆の説明がきをよみながら…
注文したのはこのコーヒー。
ひときわ大きく存在感のある焙煎機。

「僕、コーヒーもど素人だったんですけど、あの焙煎機みたときに、カッコいい!これ買おうって決めちゃったんです。でも、あとからコーヒー業界の先輩方に『これ、長くコーヒー屋さんしてる人たちが欲しいって思う焙煎機だよ。初心者がいきなりベンツ買ったようなもんだよ』って言われて。僕、すっごい高い買い物しちゃったんですよね(笑)」

お互いにお話をさせていただいたあとは、社長さんとパチリ。
写真は、マルシェでお会いした女性が撮ってくれました。


なんというか…
ほんとに、いろんな方に知ってほしいなと思いました。

人には、さまざまな思いがあるということ。
人には、さまざまな人生があるということを。

記念に社長さんとニッコリ。

今回おとずれたコーヒー店|ACCEPT COFFEE ROASTER(S)
阪神甲子園駅から歩いて6分のコーヒー焙煎所。店内にカフェスペースがあり、コーヒーをいただくことができます。おみやげ用にドリップバッグのコーヒーを買って帰りました。Instagramアカウントは@acceptcoffeeroasters

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