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ほんとはリアルな「人」が一番面白い。
今日バスに乗った時のこと。
前の席のおじさんが、手書き風の温かみのあるイラストをタブレットで熱心にみていました。なんだろう?と思い、私はこっそり後ろから覗いてしまいました。
どうも、牛の解体工程の図解のようでした。
えっ?と私は驚き、そのまま、なんでだろう…と見入ってしまって。
駅に着くと、おじさんはバスを降りていきました。
いったいなんの人だったんだ…。
年齢は50歳代、ニット帽をかぶってダウンジャケットをきた小綺麗ないでたち。スーツケースを引っ張っていました。畜産関係の方が、出張か研修かなにかでここに来た、のかな?
街に出るとほんとにいろんな人がいます。
ちなみに、これは私が美容室へと向かうバスのなかの出来事ですが。
かくいう私のリュックに、大小あわせ3本の日本酒の瓶が入っていることなど誰も知りません。
そう。20分前まで私は、またしても酒蔵にいました。
今週は白鹿ブランドで有名な辰馬本家酒造さん。今日は年に1回1日限りの蔵開き。お客さんもぞくぞく来ていました。
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お寿司や粕汁など食べ物のお店も出店してました。
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私同様、ひとりで愉しんでる方も結構いらっしゃいます。
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手を温めるために、お湯を入れてくれてるのだそう。
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会場をあとにする際、門のところでハッピをきて立っているおじさん2人に声をかけました。
「寒いけど。今日は晴れてよかったですね」
すると、おじさんたちはうんうん頷き、
「でも、いまから雪が降るんです…」
「ああ、ほんとだ。粉雪が降ってきちゃいました」
3人で空を見上げて。はあっと一息つく。
「頑張ってください!」
おじさん2人は「ありがとうございます!」と力強く返しました。
ほんとに、会話自体はなんてことないものです。
けれども、
近寄ってきた私を、受けとめようとしている目。
晴れてよかったですねと言われて、ゆるんでほそくなった目。
お客さんのことを思って、先の天気を心配する目。
「よし午後も頑張るぞ」と「来てくれてありがとう」がこもった目。
こういう心の動きを感じられると、とても嬉くなります。
私は、お二人が普段どんな仕事をしているのかはまったく知らないですけど。
でも、すごくお二人のことは心に残りました。
ほんの一瞬だけど、関われた瞬間があったからだと思います。
バスのなかで見たおじさんもそうです。
おじさんとは何も喋ってないし、おじさんは私に気づいてもないけど。
でも、私の心に残りました。
この日、この時間、このバスに乗ることになった、
おじさんのストーリーを想像したからです。
酒蔵でハッピをきたおじさんたちもそう。
一人ひとりに、普段の生活があって。
けれども、その日、その一瞬、その人はそこにいて。
私も、その日、その一瞬、そこにいたこと。
そして、心はつねに動いていること。
関わりって、そこにあるんじゃないかな…
それぞれにストーリーを感じられる「人」って
ほんとに一番、面白いと思います。
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普段は近くのショップ(白鹿クラシックス)でお酒が買えますよ。
蔵開きの記事はこちらもどうぞ。