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【ミュージックビデオの話】LiSA『紅蓮華』からAimer『残響散歌』の変貌がすごくてオラびっくりしたゾの巻

鬼滅キッズこと齋藤です。今更ですがYouTubeにて、LiSA『紅蓮華』-MUSiC CLiP-(アニメ「鬼滅の刃」竈門炭治郎 立志編 オープニングテーマ)のフルバージョンが公開されていました。ミュージックビデオの監督は、フカツマサカズさん。プロデュースはHiroshi Takayamaさんです。

フカツマサカズさんはなんと!!!!!あの!!!「渋谷系」の父とも言えるレジェンダリーなグラフィックデザイナー、信藤三雄さんのお弟子さんだそうです!!!!信藤三雄さんは、手がけたCD/レコードジャケットの数は2007年時点で約900枚という、マジの大物大巨匠です。作品見れば絶対知ってます。

かっこいいなあ。と見ていて、そういえば、と気がついたのです。LiSAさんは「竈門炭治郎 立志編」(2019年4月〜9月)、劇場版「無限列車編」(2020年10月公開)主題歌、TVアニメ版「無限列車編」(2021年10月〜11月)OP・ED主題歌を担当。

その次に放映された「遊郭編」(2021年12月〜2022年2月)では、LiSAさんと同じくアニメ主題歌を多く手掛けるAimerさんが主題歌を担当しています。そのAimerさんの主題歌「残響散歌」から、

突然、MVの雰囲気が変貌したのです。変わったのは映像です。曲は変わっていませんむしろ神曲です。作っているのは同一人物、現人神ことスーパー作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサーの梶浦由記様です。Aimerさんのお歌も、アレンジも全て素晴らしいんです。"ド派手"ですよド派手。変わったのは、映像だけです。

LiSA

「鬼滅の刃」は「鬼退治」の話だと呼ばれています。LiSA版は基本的にミニマムな演出でした。特に『紅蓮華』ではLiSA、鬼のダンサー2人が白ホリのスタジオで躍動する様を、音楽と映像の構成撮影編集カラコレだけで表現しています。ジャパンってクールよね的なオリエンタリズムとミニマリズムが極まっている美しく力強いMVです。この最低限の要素だけでも、いや最低限の要素だからこそ実現した美しさ。作り手による「受け取り手への信頼」が伝わってきます。

Aimer


それが、「遊郭編」になった途端にもうサムネからして「作品変わりました?」て位、違うんです。

劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」の売上は、世界総興行収入:約517億円/世界累計来場者数:約4135万人/Blu-ray&DVD累積売上枚数:約107万枚。日本映画史上最も売れた映画としてギネス記録に認定されています。映像ソフトの売上概算は約55億円。これは2020年の国内の「日本のアニメーション(一般向け)」全体売上げの2割に相当します。ってくらい売れた無限列車マネーが注ぎ込まれているのか、予算が増えたんだろうなあということはなんとなくわかります。

とにかく、突然方向性が変わったので、本当に驚きました。MV本編は上記からご覧下さい。

「鬼滅の刃」の舞台は大正時代。で、「鬼退治」の話です。なのですが、「残響散歌」では、花火がブチ上がるネオ・トーキョーが舞台。ここはジェイソン・ステイサムの『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』の世界でしょうか?それともDCコミックスの『ウルヴァリン:SAMURAI』だか『ジョン・ウィック:コンセクエンス』だか知りませんが、いつの間に「鬼滅の刃」はハリウッドから見た面白ネオトウキョウになったのでしょうか。何もわかりませんが、とりあえず本MVでは

現代の制服姿に紺色ヒザ下靴下を履いたローファーの女子高生が、ポカリのCMでもないのに泥だらけで「何か」に追われて走っています。繰り返しますがこれはポカリのCMでは無いし、「鬼滅の刃」本編に女子高生は出てきません。

『紅蓮華』と好対照なタイトルシーン
ネオ・トーキョー
泥だらけでかわいそう
大変そう

この女子高生はどこ高なのかは存じ上げませんが(キメツ学園とは制服が違います)、何に追われて走っているのでしょうか?自作本を売るイベントで千回見た現代鬼殺隊のメンバーなのかな?そんで、きれいな制服に顔面だけが泥だらけで?

何もわかりませんが、走ると疲れるので見てて可哀想です。

高みの見物のAimer様

でも一番びっくりしたのは、

女子高生が崖から無駄に飛び降りる

シーンです。何の前触れもなくて、崖から飛び降りると危ないので、すごく心配になりました。

えっ
大型画面のテレビのCMっぽい画
鬼みたいなのが走り去っていくので身構える女子高生
Aimer様助けてあげて!女子高生が大変なことになっています!

ここでもう既に

俺達は何を見せられているんだろう

という気持ちになるのですが、さらに畳み掛けてきます!サビはここからです!

走りながら泣く女子高生キタ!!!!!!!!

そう!!!!

顔は汚れているのに制服は全く汚れていない女子高生が泣きながら走ります!!!


これは!!!!邦画とかで5兆回は見た演出!知っています!!!!

既出です!!!!

ネオ・トーキョー
耳塞いでてかわいそう

知らんなにかに苦悩している女子高生よ!そこはこの歌のサビです!耳を塞いではアカン!!

何もかもがわかりませんが、女子高生が何かに苦悩しています。

モスキート音とかが聞こえてうるさいんでしょうか?

大丈夫そうでしょうか?耳は痛くないでしょうか?と心配していると、女子高生の分身?本体??????みたいな、まあとにかく女子高生本人が突然登場。

女子高生は、女子高生と、抱き合います。これが、オチです。

よかったね


という感じでした。ここで絶叫しておかなければならないことは、

Aimer様は何も悪くない。

ということです。

いや私は何かを悪いとは一言も言っておりませんので誤解なきようお願いいたします。何もわからないけど、

大正時代の鬼退治の話のMVが、"謎の舞台に謎の女子高生が突然出てきて、謎に顔だけ汚れてて、謎に何かに追われて謎に全力疾走していて、突然苦悩し出して、しまいには謎の「もう一人の自分」と抱擁して終了"したら誰でもびっくりするよね

ということが言いたかっただけなんです。いやあびっくりしたなあ。でもAimerさんのシングルのジャケットはかっこよかったので安心しました。

かっこよ

ちょっとまた、太文字お気持ち絶叫をしてしまいました。いつぶりでしょうか。

あの悪夢のアニメ/ドラクエ映画ぶり


じゃないですかね?これ

でもさ、これ↓が

突然これ↓

になったら、

「モリサワとかのフォント、買ってもらえてるのかな?」

って心配になりますよね。心配になりました。あと、女子高生が普通に可哀想だった。

まず、映像を作る前に、「鬼滅の刃」が、どんな話なのかを、漫画を買ったりして見てみるといいんじゃないかな、と思いました。

「鬼滅の刃」に、怯えて走るだけの鬼殺隊は出てきません。竈門炭治郎が猗窩座に向かって叫んだように、「人間が不利で鬼が有利な状況」の中で、罪のない人たちの命を守るために自らの身をもサイコロステーキにしてまで闘う人たちが鬼殺隊であり柱でありお館様であり隠しなんです。怯えた顔で走るのは我妻善逸ですが、彼は気絶して霹靂一閃を六連して無双します。


もう眠いのでまとめると、

もうこうやって太文字で叫ぶのも疲れるのでやめてほしいんです。日本映像の紋切り型を。何にでもかんにでも女子高生出して、走らせときゃ良いんだろと思っていることを。顔を無意味に泥だらけにすることを。何かに怯えた顔をさせて、とりあえず叫ばせたり飛び降りたりすることを。これやっときゃエモいんだろみたいな顔してくるのをやめてほしいんです。もうそういうの、金輪際見たくないんです。

と叫んで力尽きたので、信藤三雄様の偉大さについてはまたいつか。

信藤三雄仕事
信藤三雄仕事


最後に、フカツマサカズさん、かっこいいMVをありがとうございました。Aimerさん、ファンです!!好きです!!!!これからも応援しています!!!

以上です。

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