見出し画像

私とマラソンと|ワースト記録の副産物

今年の5月、私は自信たっぷりに大会の日を迎えていた。「マラソンを始めた頃の記録をついに超える時が来た!」と張り切っていた。トレーニングも順調で、この日は1番好きな5kmで自己ベストを出すつもりでいたのだ。

家を出る前にランニングウエアに着替えて鏡の前に立つと、自分が輝いて見えた。5月の暑さを言い訳に露出度の高いウエアを選んだだけに、脚のラインもはっきりとわかる。「こんなに引き締まっているの何年ぶり?!」なんて一人で盛り上がって、アスリートになったような気分で出発した。

ところが、結果はワースト記録更新。辛さや悲しさという感情はあまりなく「何で?!」と、自分に何が起きたのかわからなかった。最初の2.5kmまでは順調で、それから急に体が重くなったのだ。この日は気温が高く、まだ暑さに慣れていなかったのが一番の原因だろう。熱中症などの深刻な状態ではなく、ただ疲れてしまっただけで完走は出来たとはいえ、こんな結果になるなんて信じられなかった。

だけど、私なりに精一杯頑張って大会に挑んで、それでも良い結果が出せなかったというのも、今となっては良い経験になった。今までは準備不足で大会を迎えて、思うように走れなかった時には自分を責めていたけれど、頑張ってもダメな時もあるとわかったら「こういう時もあるんだ!」と、妙に前向きな気持ちが湧いて来た。それに、5km、10km、ハーフとそれぞれで、あまり言いたくないような記録を集めてしまったので、もう何も怖くない!

さらに、今から数か月はマラソンにどれだけ時間が使えるか、大会に出られるかもわからない状況になってしまったので、

また大会に出て、完走出来ればタイムなんて何でも良い!!もちろん、何もかもを諦めるつもりはなく、自己ベストも更新したいし、入賞して表彰台にだって乗りたい。だからこそ、その時に自分が置かれた状況に合ったやり方で継続したい。今までは大会だけを目標にトレーニングをしていたけれど、先が見えなくてもいつでも走れるように、わずかな時間でも有酸素運動や筋トレをすると決めた。まずは「走れるのが幸せ」なのだと気が付いた。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?