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2015年12月の記事一覧
0058【『聞き書き、町、人、温泉、1000の言葉』旅ジャーナリストのかたあきこ】
「戦時中、この宿が将来も在り続けるなんて考えることができなかった。明日の命があるかさえ分からない時代。戦後も食料確保が大変で、、、。世の中の混乱を経てもなお、今に在り続けるこの宿を、たいせつに次の世代に繋げていかなければと思っているのです」
0057【『聞き書き、町、人、温泉、1000の言葉』旅ジャーナリストのかたあきこ】
「地元みんなでキャラバンをはって、旅行会社をまわって頭を下げてパンフレットを置かせてもらって、『こんな部屋じゃ、こんなパンフじゃ、うちからお客さん送れないよ』と言われて、恥ずかしい気持ちと惨めな気持ち。それが25年前。悔しさが今に続く原動力になった。人に頼らず自分たちの力で、お客様を感動させる宿にしていこうと必死にがんばった。」
0056【『聞き書き、町、人、温泉、1000の言葉』旅ジャーナリストのかたあきこ】長野県小布施町 小布施堂・桝一市村酒造場 代表 市村次夫さん編
「過去に学ぶ、歴史に学ぶ。自分のおかれた状況は過去に必ず、それも無数にあり、気づきを与えてくれる」
歴史に学ぶことの意味を痛切に感じたのは、敷地内の里道を遊歩道として町に提供した時です。小布施では1980年代から、暮らす人の視点に立った「町並み修景事業」がはじまっていて、里道は“栗の小径”という散策路になりました。日本人が社会を営む中で、お互いの暮らしやすさを考えてつくった道、それが里道です。
0055/長野県軽井沢町 星野リゾート 代表・星野佳路さん編【『聞き書き、町、人、温泉、1000の言葉』旅ジャーナリストのかたあきこ】
森を森として残して採算があうようにしないと、どんどん不必要な開発が行われます。もともとあるものを使って、いかに魅力を引き出せるか。これはリゾートを成功させる鍵。約1000ヘクタールに及ぶ「軽井沢野鳥の森」では、年間80種類もの野鳥が見られます。世界的な野鳥の宝庫ということで、1974年に日本で初めて国設の「野鳥の森」に指定されました。私は社長就任翌年の1992年に、野生動植物の調査研究や保全活動、
もっとみる0054/宮城県仙台市・秋保温泉「佐勘」34代当主・佐藤勘三郎さん編【『聞き書き、町、人、温泉、1000の言葉』旅ジャーナリストのかたあきこ】
秋保温泉は開湯1500年の歴史を重ね、「佐勘」は私で34代を数えます。古くから秋保の「湯守」「山守」「川守」としての役割があり、江戸時代初期には仙台藩主伊達政宗公の湯浴み御殿として知られました。長い歴史を紐解くと、飢饉があり、大地震による温泉の枯渇があり、戦時中の児童疎開や戦後の進駐軍占拠など様々にありました。代々、湯守として歩んできた私たちに出来ることは、「温まりの湯で、心の原点に触れるおもてな
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