アダミアニ・祈りの谷
岩波ホールジョージア映画祭、'アダミアニ〜祈りの谷'。チェチェン紛争の地に暮らす人々、美しい谷の平和と分断の歴史、世界の争いを写す小さな谷の最小単位の'歴史'を、祈りの谷に暮らす人間'アダミアニ'として撮す視点のすばらしい、さまざまな細部を伝え届けてくれるフィルムだった。
闘いへと駆り立てられる男たちの複雑に絡み合った愚かさと、それに痛み、涙し、立ち向かう母たち・女たちの対比を静かに映し出すフィルムでもあった。
監督である撮影者がそこで撮っていることで彼らに与える、また与えた影響がどのように、どのくらいかあったのだろうか、と知りたい思いも残った。
そのくらい彼女ら彼らは画面の中、時に苦悩を見せつつも屈託なく、生きているそんなふうだった。