なぜルブランはレンヌ・ル・シャトーの秘密を知っていたのか?『ジュール・ヴェルヌの暗号 』を読んで⑥
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みなさん、こんにちは!
今日も、『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』(以下、『ジュール・ヴェルヌの暗号』)の中で、アルセーヌ・ルパンについて書かれている秘密を皆さんにシェアしたいと思います。
前回の記事では、アルセーヌ・ルパンが関わる重大な事件の多くは、ノルマンディーの三角地帯で起こり、そこは、”歴史と財宝が絡んでいる土地”であるとご紹介しました。
そして、その三角地帯で起こるアルセーヌ・ルパンの物語は、主に『カリオストロ伯爵夫人』、『奇岩城』、『遅かりしシャーロック・ホームズ』、『バール・イ・ヴァ荘』ですね。
上記のストーリーから、『バール・イ・ヴァ荘』と『遅かりしシャーロック・ホームズ』について、『ジュール・ヴェルヌの暗号』の著者が述べていることを、ここに書いていきます。
まずは、『バール・イ・ヴァ荘』から。
著者によると、『バール・イ・ヴァ荘』も、レンヌ・ル・シャトーの謎を連想させるという。
『バール・イ・ヴァ荘』では、ローマ人の丘から出た金粉の流れるオーレル川が登場する。
レンヌ・ル・シャトーの近くのクルール川でも、増水期の直後に同じようなことが起こり、そこで水を飲んでいた鴨の体から砂金が見つかっているらしい。
また、『遅かりしシャーロック・ホームズ』では、かつて2人のフランス国王が城の秘密に通じていたが、謎を解く鍵は、次の文に隠されている。
(『遅かりしシャーロック・ホームズ』に登場するフランス国王については、以下のYouTubeを見てくださると嬉しいです。)
「斧が回転する。震える空気の中で、しかし翼が開き、人は神のところまで行く」というフランス語の暗号文を以下のように考えると↓
斧アッシュが回転する → H(アッシュ)を45度回転させ、
震える空気エール → R(エール)を動かし、
翼エルが開き → L(エル)を開く
そうすると、礼拝堂へと通じる地下の入り口が見つかる(神のところまで行く)というふうに、謎を解くことが出来る。
著者曰く、実は、これと似た内容の暗号が、ジュール・ヴェルヌの「征服者ロビュール」にあるという。
このように、著者は、アルセーヌ・ルパン作品にもレンヌ・ル・シャトーの謎を暗示させるものがあると述べているが、では、作者モーリス・ルブラン氏は、一体どうやって秘密結社やレンヌ・ル・シャトーの秘密を知り得たのだろうか。
なんと、ルブラン氏は、彼の妹ジョルジエットから、その秘密を聞いていたというのだ。
ジョルジエットは、秘密結社の薔薇十字団やレンヌ・ル・シャトーのソニエール神父と親しい歌手のエマ・カルヴェと親交があったという。
しかも、ジョルジエットはメーテルリンクと長年夫婦のように一緒に暮らしていて、メーテルリンクも、神秘学に大きな関心を寄せており、何らかの秘密を知っていたようなのだ。
私は、ルブラン氏が、妹のジョルジエット経由で、秘密結社やレンヌ・ル・シャトーの秘密を知っていたことに、「やっぱり、そうなんだ!」と、納得しました。
ジョルジエットが、いろんな秘密を知っていたというのは、大いにあり得ることだと思います。
私は、ルブラン氏の伝記を読んだ時に、彼女はとても不思議な人だなという印象を持っていたのです。
彼女は女優だし、職業柄、沢山の人と親交があったはず。
長くなったので、一旦ここで終わりにしますが、このジュール・ヴェルヌの暗号シリーズもあと1回くらいで完結できればと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。