生きることは大切です

生きることは大切です

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イースターに

    • ウヰスキー

      • 秘密の口づけ

        秘密の口づけ 灯りを消してからは 燃える身体を重ねた 肩甲骨あたりに 汗がにじんでいる しがみつく両手が滑りそうだ 頰に唇を寄せながら 彼の熱いキスを交わす 途端に 何かが遮っている 矯正? はたまたドラキュラの子孫? しかし そんなことが頭をよぎることさえ許さない程に 心地よく 真剣に求め合った     数日後 本屋の帰り途 ふと あれはなんだったのだろう? 矯正?違うなぁ  ドラキュラ?かも知れない パンクやってた方?  「このホテル 素敵ね 」 「うん 懐かしくて優

        • 俺様河童

          俺様は今 昼餉の時間 堤で悪さしてた童らのへそを箸に摘んで 口に運んでいる 至福の時さなー 「あ〜〜ん  パクッ」 パシャ パシャ  何やら気になる音が・・あっっつあっっあああ 小さい足の裏が水面にうごめいているではないか 静寂で厳粛な俺様の聖餐の時はかき消され いたずら心が ムクムクと内側から本能の炎のように沸き立ってきた 「え〜い いっちょやってやれー あんななまっちろい足のやつなんか あっという間もなく 俺様のおやつTIMEの生へそにしてやれぃ」 きらきら水をかきあげ

        イースターに

          空になりたい

          未完成 人生は人と比べるものではない 比べるべきではない 比べられない とは言え、同じ人間であり、似たような容姿で、言語や文化や歴史も共有していたりする 権力を持ちたがる人や、任された人の判断で他の人の人生は左右されたようにも思える 人を制限するものは何も権力だけとは限らない 権力者すら儘ならぬ支配がある 死や病、痛みや悲しみなど、万人が抗えない支配である これらは孤独の静かな奥の間で、じわじわと時には強烈に人を支配する その支配が訪れた時、どんな時であっても、苦しみ叫ぶ声

          空になりたい

          天翔る恋

          作男編 その1    戦後の動乱も落ち着き日本中に復興の兆しが見え始めた頃のことである NHK素人喉自慢がラジオから流れている 日本全国各地の素人が集められて好きな歌を披露するのだ 上手な人には沢山の鐘を鳴らしてもらえるが そうでもない人には鐘が一個 即座に退場しなければならない  歌の伴奏はアコーディオン 贅沢すぎない感じで親しみやすい印象 戦後の日本の日曜日の憩いの定番である 「作男さん 最近 休みとなれば 外出してばかりのようだけど 学問で忙しいことでもあるのかい?

          天翔る恋

          白ゆり姫

          謂れのある人をやっと殺した    または 死んだ 裏山の斜面の一部に埋めた 白百合の球根を植えた 百合の球根あり 立ち入り禁止と立札を立て 園芸用ロープを張った 時期がくれば 様々に白百合が咲き誇り  鎮魂も最盛期になるだろう  罪滅ぼしにはなるまいが 自分の心に少しは感傷的光景を 作ってくれるのではと 勝手な発想もあった ところがある日 田舎の役所の広報から電話が入った 住民や通り掛かりの人からの写メで 御宅の山の斜面に この世のものとは思えぬほどにギラギラとラメに光る

          白ゆり姫

          いつまでも残るもの

          いつまでも残るもの儚い約束をしましょうでもとても大事なことよこれから先 どんなことがあっても愛し合って 愛の言葉を毎日口にしてどんなことを見ても聞いてもあなたと私は微笑んで互いに喜んでいましょうね身内に嘆きがあった時 心が一瞬に恐怖に囚われてしまった時直ぐに神様助けてあげてくださいと祈って、心に穏やかさが戻ったら微笑んで話しましょうそう 注がれたシャンパーニュグラスの中の泡のようにいつまでもいつまでも 儚く続くものが幸せなのよ 強すぎて 溢れて溢れてしまうのではないかと気を揉

          いつまでも残るもの