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フィンランドのコミュニティ・ミュージシャン


本日、ユヴァスキュラのコミュニティ・センターの歌う会でピアノを弾いてきました。フィンランドでコミュニティ・ミュージシャンとしての活動のお話です。

コミュニティ・センターにも夏休みがあり、今回は今シーズン初の歌う会でした。テーマは、フィンランドと日本の歌。手持ちの楽譜や、地元合唱団のCDプログラムから、20曲に絞りました。歌詞はあらかじめワードで制作し、当日写されます。

夏休み明けなので人が少ないかなと思いきや、30人以上の方がいらしたそうです。スタッフさんは私と同年代か若い方、参加者はおそらくシニア世代もしくはリタイア組です。近所の介護ホームからも、年配の方が車椅子でいらっしゃいました。もちろん介護人さんたちもです。

皆さん、ほとんどの歌をご存じでした。私は音楽指導者養成の学校に通っていましたが、クラシック声楽専攻のため、フィンランドの普通の歌を聴く機会はありませんでした。幸い楽譜は豊富にあり、動画にもアップされています。今はわかりませんが、学校で学んだ歌も多かったようです。ようやく、生で聞く機会ができ、感激です。そして、車椅子の方々の表情が動いているのを見ると、ほっとします。

指導者養成学校の最終学年では、健康と音楽と言うテーマで、実習がありました。カラオケを作り、介護センターで実行するというもので、そのときは歌謡曲中心でした。

日本の介護センターでも、このような時間がある事と思います。声が聞こえなくても、コミュニケーションがあると思います。ぜひ、多くの歌が歌われますように。

ユヴァスキュラは、大学都市ではあるものの、ヘルシンキやタンペレといった大都市に比較すると、比較的小さい市です。子供たちも家族も多いと思いますが、同時に年配の方々も多く生活していらっしゃいます。その小さな町ですが、コミュニティ・センターは3か所あります。今回の会場は紙工場とおり1丁目、というところにあるPiippurannan Klubi 。地名の由来はよくわかりませんが、すぐ近くに川があり、レンガの煙突もあります。

歌う会は毎週水曜にあり、カラオケ、地元の合唱団の参加があったり、さまざまな方の伴奏で、歌う会です。先に書いたようにここに出入りするようになったのは一年前から。コミュニティ・ミュージシャンのコースで一年実習も、こちらでさせていただきました。

大きな本音は、こういう所に、来てすぐに通いたかったということ。一年目は授業でわけがわからず、右往左往。2年になったら世間を知ろう…と思っていたのにコロナに突入し、あちこち全部閉鎖してしまいました。最終学年は論文を書いていたので、余裕なし。

後悔しがちだけど、今年になっても、それはよかったなあ、と思っています。(フィンランドで、ポジティブにとらえる癖がつきました)声楽家は舞台で歌う仕事で、それも好きです。日本で高校の非常勤講師をしていた頃は、ひとクラス45名の伴奏をしてました。声楽のレッスンも、よく考えると生徒の伴奏をするのも好きなのです。

人々に出あいたいという気持ちはやっぱりどこかにあります。

「一緒に」と言う気持ち。

一緒がいい、と思います。

来週20日にも同じ会場で弾き語りコンサート、また9月末にも弾き語りコンサート兼みんなで歌う会があります。お近くにいらしたら、ぜひお越しくださいませ。こちら13ページに載ってます。

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