見出し画像

コンサート動画パート2.


全開に引き続き、コンサート動画の投稿をリンクします。同じリサイタルのパート2は、フィンランド語の作品です。
サムネとは裏腹に、もさっとした服装で登場いたします。

先に事情を知りたい方に、こちらで解説をいたします。
第2部で歌っているのは、フィンランド人作曲家Seppo Nummiの作品 Vuoripaimen 全曲です。
Nummiについてのウイキペディアはこちらですが、フィンランド語とスウェーデン語しかない( ゚Д゚) 日本語ではヌミと見受けられますが、ヌンミの方が近いでしょう。 

この曲のタイトルは羊飼い…みたいな感じのようです。さて、何を飼っているのか?は謎なような気がします。Gemssiとあるので、シャモアかもしれませんが、飼えるものなんかな・・・??

歌はこの「シェパード」の一人語りです。山での生活、村のお嬢さんについて思いをはせたり、絵描きだったらなあ、いや僕は単なる詩人なのだよ・・・と語ったり。だから、ドレスはなんだか違うなあ、と思って、もさっとユニクロの上着を羽織っています。個人的にはおっさんであってもいいような気がしていましたが、夢見る少年とのことで、それ以上の演出は思いとどまりました。

詩を書いたのは、彼の弟であるLassi Nummi. Nummi兄弟は、子供の頃に親の仕事で中国で生活したことがあるそうです。知らない動物も出てくるし、これも舞台は中国の山岳地帯なのかもしれません。「お米、他の皆に全部食べられちゃった・・・何も残ってない」なんて、お米Riisiも出てきますし。

兄は音楽家、作曲家、弟は文章家、詩人。ポップスなら兄弟での作品がありそうですが、一応、クラシック歌曲の共同制作です。

作曲家セッポ・ヌンミは、シベリウスアカデミーで Aarre Merikanto、Arvo Laitinen そしてErnest Linko に学ぶと同時に、Yrjö Kilpinen に個人的に学んでいます。歌曲は約230曲。同シベリウスアカデミーにおいて、図書館の仕事もなさっていたとか。フィンランドでは図書館員はとても重要な役割なのが興味深い所です。ちなみにNumiの先生として登場するキルピネンはウイキペディアによると790曲以上の歌曲を作曲しているとか。

フィンランドの作曲家は、多作の方が多く、歌いきれません。有名な?作曲家も多い中、出会いがあったのはうれしい限りです。ヌンミの他の作品集には、「花咲く季節」と、中国の詩に曲を付けたものがあります。「花咲く季節」はフィンランドの詩人たちの作品に曲を付けたものです。こちらも全曲歌ったことがあります。

一年生からヌンミを練習した思い出は・・・というと、コロナに突入したための、声楽のオンラインレッスンです。ピアニストは全曲カラオケを作ってくれました。また、声楽のテクニックを含めた声を出す時間もありましたが、多くの時間を詩の解釈に割きました。

声楽はヨーロッパ生まれなので、クラシックの発声を外国語で歌い学ぶのも基本だと、私は思っています。まあ声を出すのが好きだし気持ちよいので、ついわからないまま歌ってしまいがちになることもありますが、詩は、曲とともにあるもの。詩の解釈は非常に大切です。きちんと内容を理解していたら、何を歌いたいのか、何を言いたいのかも自ずとまとまってきますから、人前で歌うときに、あがることも減るかもしれません。

おまけですが、詩がよくわからないときどうしているかというと、このサイトを利用しています。もっとも、このページのように全部は見つけられませんので、そんなとき、指導者が頼りになります。

先にあげたシベリウスアカデミー(現国立音大にあたります)にも、多数のフィンランド語への訳詞のページがあります。
クラシック声楽はフィンランドでも、母語であるフィンランド語以外の声楽曲を学ぶことが多いもの。ですから。ピアニストも歌仲間も、訳詞を作るのが好きな人も多いみたいです。

いいなと思ったら応援しよう!