ゲンチアナと苦み
少し前になりますが、小岩のWunder Bar Arsさんで
ウニクムの普通版とレゼルヴァ、
イェーガーマイスターの普通版とマニフェストを頂きました。
こうやって比較できるのは面白いですね。
(普通版という言い方もアレですが😅)
どちらも多数のハーブで作られている薬草酒、Elxerです。
薬草系リキュールとも言われています。
こうした薬草系のリキュールは、もともと嗜好品よりもやや薬寄りのものとして作られたようです。
ウニクムは17世紀ハンガリーの王が病気になった時、主治医が調合して王に献上したのが始まりといわれています。
ハーブの豊かな香りと、さらにグッと打ち出されてくるピリッとした苦みはゲンチアナによるもの。
食前あるいは食後にストレートで少量飲むと良いとされています。
さて、このゲンチアナは日本語だとリンドウと訳されることが多い、中医学、和漢薬でも用いられている苦味健胃薬です。
ただしリキュールに使われるものと中医学・和漢薬で使われるものは種類が違っていて、
リキュールに使われるものは、Gentiana lutea
中医学で使われる方は、Gentiana scabra Bunge var. buergeri (生薬名はリュウタン・竜胆・龍胆)
でちょっと違うというか、かなり見た目も違いますね。
前者は背丈が大人の身長ぐらいになり、大きな黄色い花を咲かせます。
後者は30cmぐらいの高さで、花は小ぶりで紫色です。
園芸種として日本でよくみられるリンドウも割と後者寄りの品種になります。
またどちらも薬剤としては根や根茎を乾燥させて使います。
そうした意味ではゲンチアナとリンドウは別物として考えていった方が良いのかもしれません。
苦味健胃の薬草類は、苦みが特徴的で、働きとしても苦みが刺激となり、味覚神経の反射として唾液や胃液などが分泌され、さらに直接胃粘膜を刺激して胃液分泌や胃運動を促していきます。
また苦みというとアルカロイドのイメージが強いのですが、ゲンチアナの苦みは苦味配糖体のセコイリドイドがメインで、アルカロイドとしてゲンチアニンや、ゲンチアノーゼ、ゲンチジンも苦みに絡んでいると考えられています。
リンドウ科の植物は結構こうした苦味健胃に関わるものも多く、テレビの罰ゲームに使われるセンブリなどもリンドウ科だそうです。
カルペパーのコンプリートハーバルでもゲンチアナは火星のハーブとされていますので、刺激剤という意味ではピッタリでしょう。
また根のハーブはホリスティックな観点から見ると、気持ちを落ち着かせたり、安定させたりするものが多くあります、そうした意味では、胃腸を刺激しながら消化吸収を促進し、身体を充実させる…ということに関連すると考えられるので、「土」のエレメントに相応するものかもしれません。
バッチフラワーレメディですと、ゲンチアンは牡牛座(土のエレメント)と結びついているので、そうした意味でも「土」エレメントと関係があると考えられます。心に対しても鎮静系の何かがある可能性もありますね。
ゲンチアナは身体を程よく刺激して、充実させ、落ち着かせるというハーブといえるかもしれません。
それにしても、このような星にまつわる視点でお酒を見ていくのも楽しいですね。