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幸福への旅再び
少し前に飲み会で生年月日と統計学を元に私を見てくれる人に出会った。私のことをあまり知らない方に、性格や行動傾向をぴたりと当てられた。そのため彼女が言った「将来を考えてる人とは11月までに出会う」「12月5日になにかある」「2月2日に大きな決断をする」という言葉はすんなり信じることができた。
11月に出会い、12月に何かがあり、2月に決断する…。大変、トントン拍子で長きにわたる独身生活が終わってしまうではないか。
その日から何となくにやにやしていたが、仕事に忙殺されながら11月が終わった。ときめくような出会いはなかったが、なんだかんだ後で伏線回収できるのだと気にしていなかった。
12月に入り、繁忙期を終えた自分を労うために毎年恒例の北海道ひとり旅へ。「何かがある」と言われた12月5日は幸福駅に行く日。昨年、弾丸で夕方から行ったところ、本気のひとり肝試し大会になりゆっくり見れなかったこと、母から「あんた、幸福駅行ったのに幸福になってなくない?」という言葉が刺さり、1年越しのリベンジだ。
今年は朝イチからバスに乗り、天気も良い。期待して行くと予想以上に綺麗な風景を見ることができた。死ぬほど寒かったが、どこを見ても美しい風景にしっかり感動した。(ひとりだが)幸福駅に佇み、「絶対今日なにかある!」と思った。
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何もなかった。
むしろ幸福駅で寒い中うろうろしていたことで、ガッツリ鼻風邪を引いて、その後はしんどい1日だった。幸福駅を離れ、食べた回転寿司もクランベリーのケーキも正直よく覚えていない。ふらふらになりながらも絶対に押さえておきたいセイコーマートで買い物をし、薬局でパブロンを購入してホテルに戻った。セイコーマートのカップ麺を食べて早々にベッドへ。サッカーも見ることなくひたすら寝たら朝になっていた。
パブロンが効き鼻風邪も落ち着いた。雪景色の中をぬって走る特急列車で松本清張を読みながら空港に向かう。昭和が色濃く残る北海道の風景は清張のミステリーとよく合う。なんて贅沢な時間なのだろうか、と思い耽る。やっぱり北海道の列車旅行には清張の小説が欠かせない。
いやいやいや、5日終わってるやん!清張みたく伏線回収できとらんって!!
私、また来年幸福を探しに行かねばならないのかもしれない。