もしもう一度会えるなら 2
思えば父は、誰よりも、一家で行動することを望む人だった。時には、母も私たち娘も閉口するほどに。娘の学校行事には可能な限り参加して、ここぞとばかりに張り切る。娘が思春期を迎えても、相手の都合お構いなしに家族旅行を強いる。
きっと側からは、理想の父親に見えたのだろう。
ご近所さんには、「いいお父さんで幸せだね」なんて声をかけられ、
友だちにも、「あんなお父さんが良かったわ」と羨ましがられたものだ。
一歩家に入ればワンマンで亭主関白のくせに。
私たちの気持ちなんか、まったく尊重して