五臓:脾は土、大地です。
脾は土、大地です
東洋医学の世界は、大地に根ざし天空に枝葉を茂らす一本の木をイメージして人間の有り様を考えます
脾は土、大地です。
この土の部分、根っこが栄養を取るための大地が脾です。
また、六腑の胃とあわせ、脾胃と表現し、胃腸の機能をあらわしています。
食べ物、飲み物からの栄養をいただく消化吸収
私達が日々摂取する飲食物を消化吸収し、しっかりとエネルギーを摂取し、からだ全体に配布していきます。またそれをしっかりと蓄える倉庫でもあります。
この脾胃の力は、後天の本ともよばれ、いま、今日を生きる私達が生きていくための栄養摂取のプロセスです。
面白いのは、お腹という身体の真ん中にあって、昇りのベクトルと、下りのベクトルの枢軸となっていることです。
ご飯のあとに、胃がムカつく。これは上向きのベクトルの過剰さか、下向きのベクトルが足りません。ご飯を食べたらいったん受け取り、脾気は全身に頒布させますが、胃気は下に向かって食べ物を動かします。この組み合わせが上手く行かないと滞るわけです。
私達が根ざす大地である脾
肝木はこの、肥沃な大地である脾胃に根をおろし養われます。肝は血を蔵すると言われていますが、その血を生成するところが大地である脾なのです。
大地が肥沃であることは肝木の根がしっかりします。肝気がキーキーと暴れることを間接的に防ぐのです。
木には充実した根が大事だということですね。
そして肝が据わるということばがありますが、その据わる椅子が脾腎の大地です。大地が貧弱だと肝がフラフラしますね。しっかりとした大地に据わった肝。そうありたいですね。