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サクセスストーリーも、相手が共感できなければ心に響かない。

ライターあきこの裏の顔は、
とある会社の研修担当者。

今日は研修の社内打ち合わせがあった。

私の会社ではモチベーション向上を目的として、先輩社員から後輩社員に営業のHOWTOを教える研修を定期的に開いている。今日の打ち合せの議題もその研修についてだった。

現状の課題について話し合っている時、
上司がこんな事を言った。

『結局、話し手がどんなに素晴らしい事を言っても聴く側が共感できなければモチベーションは上がらない』

当たり前の事なのだけれど、今の私にはとても刺さる一言だった。
と言うのも、つい抜け落ちてしまいがちな視点だったからだ。

例えば、社内でトップクラスの営業成績を誇るAさんに研修の講師を頼んだとする。
この場合私がAさんとの事前打合せでやりがちなのは、Aさんの契約クロージングに至るまでのサクセスストーリーについていかに後輩社員に伝えるか、という話し合いだ。
でも実際に後輩社員に話してもらうべきなのは、むしろAさんの今に至るまでの失敗エピソードだ。
なぜなら研修を聴く側にとって本当に必要な情報はそっちだから。

ほとんどの後輩社員は、契約が取れなくて困っているから研修に参加するのだ。
それなのにサクセスストーリーばかり話されたら、『やっぱり自分はダメなんだ』『この人はたまたま優秀だけど自分はどうせうまくいかないんだ』と弱気になってしまうかもしれない。

研修参加者のモチベーションを上げ、満足度を高めるためには、参加者が自分ごととして聴けるような内容にしなければいけない。
例えば、今は向かうところ敵なしなAさんも、かつてはしょっちゅうお客さんを怒らせて謝ってばかりだったとか。
アポイントを取ろうにも会ってすらもらえない日が続いて上司と一緒に必死で策を練ったとか。
『Aさんも同じように、うまくいかない時代を過ごしていたんだ』と聴き手が思えなければ意味がない。
研修担当者として、そんな事も気づかなかったのかと反省しきりだった。

この視点はライターあきことしても重要だ。自分ではいい事を書いているつもりでも、読み手に共感してもらわなければ意味がない。伝えたいメッセージも伝わらないんだよね。

当たり前の事ほど見落としてしまうものだ。またひとつ、成長した。

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