思考の肥大化
このところ、どうにも文章が書けなくなっていた。ライターを名乗っているのに由々しき事態だと感じていた。
書きたいことはあるのにまとまらない。
書いていても途中で、途方に暮れるような気持ちになって集中力が続かない。
その理由は、思考の肥大化だ。
気づきとそのきっかけについて書き留めておこうと思う。
【思考の肥大化とは?】
思考の肥大化とは、頭で考えを広げているうちに抱えている問題が実際よりも大きく思われてしまう事だ。
気づかせてくれたのはなんと、職場の上司だった。
最近、会社でのわたしは抱える仕事が増えたことで全てをこなしきれず、不甲斐ない状態だった。
やるべきことはあるのに取りかかれない。
作業に取りかかっても集中できない。
頭の中が憂鬱に支配されていた。
そんなときに限って至急の業務が降ってきた。
『いや、ちょっと〇〇を終わらせなくちゃいけなくて、対応できるかどうか…』
すると上司の一言。
『大丈夫ライターあきこなら5分でできる!』
仕方ないので急ピッチで取りかかった。
なんと、本当に5分で片付いた。
無事終わった事を報告すると、当然できると思っていたよと言いたげな表情でこんな言葉をかけられた。
『ライターあきこなら集中すれば5分で終わる。頭の中でどうしようああしようと考えるから、勝手に思考が肥大化して問題が大きくなってしまうのだからまずはやってみないとね。』
たしかにその通りだ。この所の絶不調で憂鬱な気分が伝わっていたのかも知れない。
置かれた心境をズバリいいあてるかのように的確なアドバイスに感謝しながらふと気づいた。
ライターを名乗りながら一文字も書けなくなっていたのも、思考が肥大化したせいだ。
ライターになりたくてせっかく勉強を始めたのだから、こんな風に書かなくちゃ。いやあんな風に書いたらもっとウケるかな?
そうやって頭の中でぐるぐると考えた結果、
書く行為が途方もなく壮大なことに感じられていたのだ。
ただ手を動かして書いて、発信してからフィードバックをもらって考えれば済む話なのに。
頭の中で考えを巡らせることはもちろん大切な事だし、思慮深さはステキな事でもある。
けれども、思考を広げすぎると自分でじぶんにブレーキをかけてしまう怖さもある。
アウトプットは軽やかに、考えすぎずに楽しんでいこう。
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