ブラッドパッチ退院後も続く、激痛

退院後、わたしは希望に満ちていました。
ブラッドパッチも済み、入院期間もお薬が効いてくれて
痛みのコントロールも出来ている。
無事に退院することも出来た。
あとはしばらくの期間、安静にしていれば回復するだろう。
安静にしている期間は何をしようかな。
何だって出来るんだ、これまで出来なかったこと、我慢してきたこと、
いっぱいある。
子どもとの時間もいっぱい作って。
取り返すんだ！
どんどん元気になるんだ！
そう思っていました。
退院した日の夜には、夫と子どもたちが退院祝いのケーキを用意してくれて
いました。

夫も子どもたちも両親も、みんなでサポートしてくれたおかげで
無事に治療もでき、退院することができました。
わたしは嬉しい気持ちでいっぱいになり、泣きながらみんなに
お礼を伝えました。
ありがとう、ありがとうと、何度言っても足りません。
子どもたちは笑っていました。
わたしも一緒に泣きながら、笑いました。

入院前に待合廊下で出会った方へも、無事に退院できたことを
報告し、喜んでくださいました。

その日の夜、久しぶりに子どもたちを抱きしめながら眠ったのも束の間、
深夜に痛みで起きました。
あまりの痛みに、トアラセット３錠、リボトリール２錠、マイスリー２錠
を飲み込み、不安な気持ちも飲み込んで、また眠りました。

翌日も強い痛みが続きました。
トアラセットを２錠ずつ４時間置きに飲む。
日中はなんとか効いてくれていたけれど、夕方から効きが悪くなる。
この日の夜も深夜３時に痛みで起き、手持ちの痛み止めを
口に放り込む。それでも痛みが続く。
どうして。。。
頭の中はこの言葉でいっぱいです。
ブラッドパッチもしたのに、入院もしてやっと退院したのに…
お薬だって最大量飲んだのに、入院中はこれで痛みもコントロール
出来ていたのに。
痛い、体が辛い、打つ手がない。。。
もうこれ以上、どうしたらいいのか、何をしたらこの痛みから解放されるのか…
わたしはどうなってしまうの、もう普通の生活には戻れないの。
子どもたちのことはどうすればいいの。
わたしが回復出来なかったら
まだ小さな子どもたちを誰が守るのか。
わたしの体は一体どうなってしまったのか。
疲れた。。
もう疲れた。。
わたしは痛みの中、絶望の波に飲み込まれ
途方に暮れてしまいました。
なんだかもう、ここではないどこかへ行きたい。
消えてしまいたい。
気付くとわたしは、深夜３時半、外をうろうろ徘徊していました。
空を見上げると、この日は満月でした。
近所の公園をグルグル歩き、そのうちベンチに座り込み、
遠くをぼんやり見つめていました。
そして、このまま消えてしまいたいと願っていました。
それでも心の隅に、子どもたちの顔が浮かびます。
昨日、みんなでお祝いのケーキを食べたばかりなのに
今、どうしてこんな深夜に一人で徘徊しているのか。。。
あの時間は幻だったのか、昨日のことなのに、
もうあんなに、遠いのです。
夜が明ける前に家に戻らなければ、家族に心配をかけてしまいます。
わたしはまたフラフラと歩き出し、家へ戻りました。
布団の中にそっと潜り込み、声を押し殺して泣きました。

この日を境に、わたしの体に異変が起こります。