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ChatGPT o1にしか回答できない設問集第一弾(シリーズ化決定)
なんと下記のような難解な設問をそれぞれのモデルにしてみて、o1のみが正解が得られたそうです。
Contrived problem, I know, but:
— Riley Goodside (@goodside) December 5, 2024
ChatGPT 4o, o1-mini, and Claude 3.5 Sonnet all get this wrong — 0 out of 3 each
ChatGPT o1 gets it right 3 out of 3 pic.twitter.com/LhbFIl4r29
その頭字語が、将来のリーダーがイタリア人と結婚した国を訪れたグループの名前の頭字語にもなり得るエンターテイメント形式の具体的な例を挙げてください。
この設問は難解すぎて、FFは1からネトゲ2作含め全作品プレイしている筆者でも答えられない設問だとおもいました。実際に、それぞれのモデルに質問して確認してみる事にします。
GPT o1の返答
GPT o1の返答は完璧でした。下記がそのリンクです。凄すぎてグーの音もでません。
なんすかね。この回答方法の種明かし。質問を英語でしているのに日本人だと認識しているためか英語で、しかも普段通り(他のモデルの様にカスタム設定やメモリ、これまでの会話履歴を読み込んでいる)タメ口でこたえてくれます。
以下、GPT o1の会話です:
Zun、答えは「ファイナルファンタジーVII」だよ。
以下、思考プロセスを説明するね。
まず、問題文を分解するとこんな感じ:
「あるエンタメ形態」の名前を特定する必要がある
おそらく「RPG(ロールプレイングゲーム)」などのジャンル名を指しているっぽい。
「そのエンタメ形態の頭文字が、あるグループのメンバーたちのファーストネームを表すことができる」
「RPG」は「Ringo(リンゴ)、Paul(ポール)、George(ジョージ)」を表せる。
これはビートルズ(John, Paul, George, Ringo)のうち、RPGの3文字で3人がカバーできる点がミソ。
ビートルズはグループであり、R, P, G がそれぞれメンバーの頭文字になる。
「そのグループが訪れた国は、未来的にトップになる人物がイタリア人と結婚している国」
ビートルズは1960年代にインドを訪問している。
インドで将来トップ(首相)になったラジーヴ・ガンディーはイタリア人のソニア・ガンディーと結婚している。
よって「訪れた国」はインド、「未来的リーダー」の条件も合致。
よって、「エンタメ形態」は「RPG」、つまりロールプレイングゲームを指している。
問題文が「そのエンタメ形式の具体例を挙げろ」という感じだから、「RPG」の具体的な有名例として「ファイナルファンタジーVII」などが挙げられる。
以上の流れで、「RPG」というエンタメ形態から、「ファイナルファンタジーVII」という具体例を出せるわけだ。
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GPT 4oの返答
この設問はo1の頭の良さを試す意味では非常に出来の良い設問だと思いました。以下がGPT 4oの回答ですが、全く推論の連鎖がなく、1回推論した後思考停止に陥っているのがわかります。
ユーザーが日本人でも質問が英語のため、英語での返答となりました。下記にGPT 4oの間違った回答の翻訳を掲載します。
GPT 4oの返答:
これは謎めいた質問です。詳しく見ていきましょう。
「頭字語がグループの名前を表すこともできるエンターテイメント形式」
エンターテインメントにも関連し、グループを表す頭字語を考えてみましょう。
「国を訪問しました」:
このグループ(頭字語に関連)は特定の国を訪問しました。
「将来のリーダーはイタリア人と結婚した」
この国は、イタリア人と結婚した将来の指導者と関連がある。
壊す:
もっともらしい解釈としては、スウェーデンの有名なエンターテイメント グループであるABBA が関係していると考えられます。ABBA の名前は、メンバーのファーストネーム (Agnetha、Björn、Benny、Anni-Frid) の頭字語です。
ABBA は活動中にイギリス (英国) を訪れた。
英国の将来の指導者となるチャールズ皇太子は、 1981年にダイアナ・スペンサー夫人と結婚した。しかし、チャールズ皇太子は後にイタリア系を含む血統を持つカミラ・パーカー・ボウルズと結婚した。
したがって、「具体的な事例」とは、ABBA の英国訪問である可能性があります。
GPT o1 miniの回答
なんと回答に、5分35秒もかかりその上間違いました。
回答が英語なので、翻訳を掲載します。思考の連鎖は今回o1で実装された、クリックすると右カラム表示はminiでも表示でき、それをみると世界中のテレビ番組を総浚いしてチェックしてきた事がわかりますが、そもそも最初の推論からして特定する事ができませんでした。
GPT o1 miniの回答:
この説明に当てはまる具体的な例がTLCです。これはThe Learning Channelの略で、よく知られたエンターテイメント形式です。また、TLC は、Tionne "T-Boz" Watkins、Lisa "Left Eye" Lopes、Rozonda "Chilli" Thomasからなる有名なアメリカの女性グループの名前でもあります。
謎に関連して:
TLC (The Learning Channel) はエンターテイメント形式です。
TLC (グループ) は、Tionne、Lisa、Rozondaという名前を表すことができます。
グループTLCはイタリアを含む様々な国をツアーした。
注目すべき歴史的背景として、将来イタリアの指導者となるシルヴィオ・ベルルスコーニは、そのキャリアの中で国際的な芸術家や有名人と重要な交流を持っていた。ベルルスコーニはイタリア人と直接結婚したわけではないが、エンターテイメント業界における彼の影響力と関係性から、このつながりは謎の枠組みの中でもっともらしいものとなっている。
したがって、TLC は、エンターテイメント形式として機能すると同時に、特定のシナリオに適合するグループの名前を表す頭字語です。
答え: TLC - The Learning Channel とガールズグループ TLC の略称です。
o1が導き出した正解の思考の連鎖内訳
下記の通りです。後ほど翻訳も貼ります。
Piecing together the puzzle
I'm analyzing the clues: an entertainment form acronym, a group visiting a country, and a leader marrying an Italian. Considering ABBA meets these criteria.
Investigating connections
I'm examining The Beatles' visit to India, Rajiv Gandhi's marriage to Sonia Gandhi, and the band's potential entertainment form, which intriguingly aligns with the given criteria.
Evaluating entertainment forms
The task involves assessing various entertainment forms, like films and bands, to determine if their acronyms align with the criteria of a group whose future leader married an Italian.
Charting possibilities
I’m considering bands like ABBA and The Beatles, whose acronyms or names could be relevant. Also thinking about Europe's leaders' ties to Italians.
Connecting clues
Considering Nepal and Brazil's leaders, and the group's acronym matching first names. Entertainment forms like movies, TV shows, and bands are also part of the exploration.
Aligning clues
OK, so Rajiv Gandhi married Sonia Gandhi, and The Beatles visited India. I'm thinking about an entertainment form's acronym that matches the first names of a band that visited India.
Weighing entertainment factions
I'm considering famous groups like The Rolling Stones and Queen, whose names might form an acronym related to an entertainment form, aligning with the criteria of a group visiting India.
Piecing it together
I’m combining clues about European leaders marrying Italians, India's future leaders, and The Beatles' visit to India, seeking an acronym for an entertainment form that aligns with these connections.
o1の思考の連鎖、翻訳です:
パズルを組み立てる
手がかりを分析中:「エンターテインメント形式の頭字語」「ある国を訪れたグループ」「イタリア人と結婚したリーダー」という条件を考慮すると、ABBAがこれらの基準に合致する可能性がある。
つながりを調査中
ビートルズのインド訪問、ラジーヴ・ガンジーとソニア・ガンジーの結婚、そしてバンドのエンターテインメント形式に注目している。これが興味深くも条件と一致している可能性がある。
エンターテインメント形式を評価中
映画やバンドなどのエンターテインメント形式を評価し、それらの頭字語が「イタリア人と結婚したリーダーのいるグループ」という基準に合致するかどうかを検討している。
可能性を整理中
ABBAやビートルズなど、名前や頭字語が関連しそうなバンドを考慮中。また、ヨーロッパのリーダーとイタリア人とのつながりについても検討している。
手がかりをつなげる
ネパールやブラジルのリーダーを考慮し、そのグループの頭字語がメンバーの名前に一致するかを検討中。映画やテレビ番組、バンドなどのエンターテインメント形式も探索の一部に含めている。
手がかりを調整中
ラジーヴ・ガンジーがソニア・ガンジーと結婚し、ビートルズがインドを訪問したことを考慮。インドを訪れたバンドのメンバーの名前と一致するエンターテインメント形式の頭字語について考えている。
エンターテインメントの派閥を評価中
ローリング・ストーンズやクイーンといった有名グループを検討中。名前がエンターテインメント形式の頭字語に関連する可能性があり、「インドを訪れたグループ」の基準に一致するかを探っている。
手がかりをまとめる
イタリア人と結婚したヨーロッパのリーダー、インドの未来のリーダー、ビートルズのインド訪問に関する手がかりを組み合わせ、それらのつながりに一致するエンターテインメント形式の頭字語を探している。
o1とo1 mini の推論能力のちがい
どういう能力の違いがあるのか以下に考察してみます。
推論の深さと比較能力
o1は、条件を満たす一つの候補を挙げるだけでなく、それを別の候補と比較しながら段階的に推論を深めていく能力を持っています。例えば、ABBAという音楽グループを候補に挙げた後、The BeatlesやR.E.M.と比較し、その類似点や相違点を分析することで、最適な解を模索します。このプロセスは広範な知識を活用し、問題文の条件を動的に再評価しながら可能性を絞り込むことで実現されています。
一方でo1 miniは、このような連続的な比較や再評価を短時間で遂行するのが難しく、個々の候補を直線的に検討する傾向が強いため、複雑な条件を絡めた深い推論には適していません。プロセスの柔軟性
o1は、問題の条件を広範囲に捉え、曖昧な要素にも柔軟に対応する能力を備えています。エンターテインメント形式(映画、バンド、テレビ番組など)の多様な可能性を検討しながら、条件に含まれる「未来のリーダー」や「イタリア人との結婚」といった曖昧で解釈の幅が広い部分を多角的に分析します。一つの解釈に縛られることなく、他国のリーダーや文化的な背景をも視野に入れ、条件の再評価と仮説の拡張を繰り返す姿勢が特徴的です。
これに対し、o1 miniは条件を固定的に解釈する傾向があり、曖昧さを包括的に処理する柔軟性に欠けています。その結果、思考プロセスが特定のパスに限定され、選択肢の幅が狭まりやすいという制約があります。推論の構造化
o1は、問題を段階的に探索し、可能性を絞り込むプロセスが非常に緻密で構造化されています。「未来のリーダー」という条件について具体例を挙げながら(例:英国王室やジョンソン首相)、それぞれの可能性を評価する段階的なアプローチが際立っています。また、「エンターテインメント形式」と「グループ名の頭文字」の一致を確認し、候補を次々に模索することで新たな仮説を構築していきます。このように、探索段階では可能性を広げ、最終的には「NASA」「HBO」「ABBA」など条件に基づく選択肢をさらに精査することで解答を絞り込むプロセスを実現しています。
一方で、o1 miniはこのような段階を踏んだ思考展開が苦手で、探索の広がりが限定される傾向があります。その結果、可能性の絞り込みも中途半端になりやすく、複雑な条件を包含する問題に対して一貫した結論を導くことが難しくなります。連鎖推論の鍵となる解釈の深さ
o1が連鎖的な推論を可能にしている最大の要因は、条件を複数の次元で捉え直し、動的に再解釈する深さと柔軟性にあります。
このような推論の深さは、o1が曖昧な条件を柔軟に解釈し、問題の多層的な意味を探求する能力に起因します。
一方で、o1 miniは一つの条件を深く掘り下げることはできても、複数の条件を同時に再評価して連鎖的に思考を発展させる能力に制約があり、比較や選択肢の幅が限定的になりがちです。o1が示す柔軟性と構造化された推論は、広範な知識と段階的な思考展開の組み合わせによって成り立っており、miniモデルには難しい次元での対応を可能にしています。
この違いから、o1の連鎖推論は問題の多層的な解釈に基づき、解を模索しながら条件を最適化する一連のプロセスが鍵となっていることが明らかです。