町に潜む気まずさ
外出をしたら1度は「気まずさ」に出会っている気がする。少し人より出来事に敏感なのかもしれない。自分ではそんなに張りつめているつもりはないのだけれど。
◇
ある日、アルバイト先までの道中で、建物の改築作業の工事をしていた。工事現場というのは、物音が凄いので、作業している人たちはいつもより大きな声を出さないと相手に伝わらないらしい。それくらい大きい声で話している。
あぁ、工事してるなぁ。と脳死したような考えが思いついていると、どこからかエレクトリカルパレードの音楽が聞こえてきた。エレクトリカルパレードとはディズニーのパレードの際に流れる音楽である。
ディズニーにほとんど行ったことがなく、パレードも見た記憶がない。たぶん子供のときに見たのだろうけれど。
(余談を挟むのですが、親に〇〇行ったよねぇ~、あ~、ここ、子どもの時に連れて行ったよねぇ。覚えてる?と、ご飯時によく聞かれるのだが、90%くらい覚えていないのだ。ほとんどが小学生低学年の時に行ったところだし、連れてこられた感を抱いた事だけは覚えている。
こういう時、正直に言うのが申し訳ないので、話を合わせている。)
このエレクトリカルパレードの音楽はどこから流れているのだ、と辺りを見回してみると、どうやら工事現場専用エレベーターが動く際に流れているようだ。簡易エレベーターだ。
今エレベーターが動いていますよ!という注意喚起のためなのだろうけれど、音がでかすぎる。そして、なぜエレクトリカルパレードなのだ。そんな感想を抱きながら、その場を通り過ぎる。
◇
そして、さっきの現場でも気まずさが発生するだろうと思った。
仕事をやっている以上、怒られることは一度や二度はある。大体年上の人が新入りや若い人に向けてのものだろう。
(以後、妄想)
「お前は、ほんと何度言ったら分かるんだ!」
「すんません、反省してます。」
「反省したって言っても、3度同じミスをしてるじゃないか!そういうのを口だけって言うんだよ!」
「はい、すんません」
「お前なぁ、反省はもういらないんだよ。なんで、ミスをしたのかを考えろ。一応な、命に関わる問題でもあるから、一つのミスで誰かに怪我をさせてしまうかもしれないんだぞ!」
「はい。。。」
「まずな、自分がどんな仕事をしてるかということを自覚しろ。そうすれば、責任感が芽生えたりとか周りが段々見えてくるんだよ。お前は、そういうのを意識してるのか?」
「。。。してるよ、そんくらい」
「お?今お前、ため口使ったか?」
「使ってません!」
「小さい声で、確実に言ってただろお前。なんだ、俺の言うことが気に食わないのか?」
「だから、言ってませんって!」
(誰かがエレベーターに乗り込む)
「お前なぁ、舐めてるのか?お前みたいなやつは絶対成長しな。。。」
(エレクトリカルパレードの音楽)
「。。。」
「。。。」