母からの宿題 ~母の被爆体験を語る~被爆者健康手帳交付申請書閲覧願編②

見ておかねば!

と決意したものの、実際に行動に移したのは一年以上たってからでした。
例によってお得意の先延ばし術発令です。

生前の母に、手帳の申請時の話をきいたら、
「おばあちゃんが、家族分をまとめてもらってきてくれた」と
話していました。
交付が始まったのは昭和32年。
朝ドラ「虎に翼」で主人公たちが尽力して
「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」が制定された年です。
申請書が町内会などでも配布されたとききます。
祖母が家族分をもらってきて提出したのでしょう。
被爆者たちがこぞって申請したに違いありません。
莫大な数の申請書が役場に積もったことでしょう。
それだけの数の被爆者がいたのです。
そして、それをもっともっと上回る亡くなった人も。
だからというわけではないでしょうが、
この年に申請された書類の内容は、
住所と氏名だけで詳しい内容はあまり書かれていないとも聞きました。
それなら、急いで見にいかなくてもいっか。
お得意技が炸裂します。

そんな私の背中をバコン!と押し出してくださったのが、
所属する会に新しく入られた方でした。
同じく被爆2世で、私より10歳近く年上の方です。
この申請書には「家族にも語れなかった当時の状況が克明に記されている」と涙ながらに語ってくださいました。
「それが役所の書庫に埋もれている。なんとか世に出したいんだ…」と。
かなり複雑な手続きも、わかりやすくまとめて教えてくださいました。
これで行動を起こさねば、どーする!
ようやく重い重いおケツが上がりました。

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