ラーメン街道
帰りが夕方になって街はつるべ落としで車のライトが自動で点灯する。
「いつもの、行く?」
「いいね。うん、行く!!」
京都に来る観光客まで列をなすという、左京区一乗寺。そこはおいしいラーメン屋さんが、ある一定の間隔でのれんを並べている。
私たちはそのラーメン屋さんの鶏ガラスープをレンゲにすくうと口に運ぶ。喉鼓を打つとはこのことで、このあとは何も会話は成立しない。麺がのびないうちにすすることが一番、お互いに顔を見合わせて首をすくめる。
「おいしいね」 すべてはアイコンタクト。言葉はいらない。
笑顔の次はお品書きを指差す私、唐揚げとライスの小。あなたは? と横を見ると餃子を指差すあなたに私はOKと人差し指と親指をくっつける。あなたは大きな声で注文をする時、唇をなめた。
まだまだ食べるつもり? そんな顔で私を見るけれど私はもうそれ以上お腹に納めることはできそうもない。
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