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そこは どんなところですか……

 月に一度の診察の予約が今日の午前だった。

 11時に帰宅してスマホを出すと、Twitterのチェックをしているとおなじみのアイコン・その投稿内容に目を疑う。素敵な彼女のアイコンから考えられない、想像もできないような言葉の羅列……。

 彼氏さんから書き込まれた言葉は、彼女の訃報だった。

 いつも体調の悪いことや、体調に波があったことは存じ上げていた。しかし、こんな急にお別れがくるなんて思いもよらないことでしばらく放心した。知り合ってまだ一年もたたない。昨年夏に私が電子書籍デビューをしたことから、WEBサイトに投稿するようになり知り合った彼女は当時少し粗削りではあったけれどもとてもインパクトのあるダイナミックな文章で、なおかつ整っていた印象だった。

 自分の娘ほどの年齢差はあったが、知的で文学に対するまじめでストイックな姿勢に驚いた。めきめきとうまくなっていかれる彼女にはキラキラした部分と、どん欲なまでの知識への闘争が感じられた。

 有名な文芸塾へのアタックや社会人大学生としての猛勉強などとても忙しくされていた。しかし、聞いたこともないような難しい書籍を読まれていたりされていて、睡眠をとられているのかと心配ではあった。

 お薬も飲んでおられたので、お加減が良くないのだろうということも彼女のTwitterから想像できた。通院の合間の読書のつぶやきもあった。

 けれど、入院や手術のことなど聞いてはいなかったし、先の先へと希望に燃えておられた彼女はいつか、私の手の届かない世界に羽ばたいていかれる存在になられるかもと思っていたのに……。


 本当に手の届かないところへと行かれてしまった。

 神様のおられる天空はどんなところですか?

 そこでも読書はできるのですか?

 陶器のような白い肌に艶のあるきれいな髪、私の失ったものをお持ちだった彼女はもうおられないことが信じられない。

 そこで見える世界をぜひとも短編にしてくださいませんか、そこから何がみえますか?


 彼女のご冥福を心よりお祈りいたします。ご家族様、関係者の皆様の御心の平穏が訪れますように。私の涙がかわくとき、皆様の涙もかわくといいなと念じております。あまりにも若い彼女の忙しい日々に。さようならを。

 いつも、ありがとうございました。あなたの分も書くことをあきらめないでいたいと思います。

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