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夢と挑戦

昨日から三泊四日で、人生初のメルボルンにやって来た。
ワーケーション、違う場所で気分を変えて働きながら、少しだけ街を散策する、というやつ。

今回は一人旅で特に予定もなかったのだが、昨日偶然にも、GoogleがGDC/GCPのセミナーを一般向けに開催すると知って、滑り込みで申し込んで参加してきた。

人生初のGoogleのオフィスは、なんだか緊張した。IT業界にいる人なら、一度は行ってみたいと思う場所だろう。

セミナー自体も為になったし、様々なジャンルのエンジニアたちと話すことができて、すごくいい時間を過ごせた。

でもあの場では、ノーコードエンジニアに会うことはなかった。やはりノーコードは、まだまだニッチな分野だな。


初めてのメルボルン、初めてのGoogleオフィスに新鮮さを覚えつつ、今日は、夢と挑戦について書き残したくなった。

僕は海外生活を志した2015年末から、英語の猛勉強を始めた。
実際に日本を出たのが2017年、それから現在まで、海外生活を続けている。

プログラミングの独学をしてウェブ制作で独立したのが三年前。
二年ほど前からBubbleの勉強を始め、今はBubbleが生活の基盤となっている。

こうして見ると、海外生活を志した頃から、何かしらの目標を立て、それを達成し、新たな目標を立て、それを達成し、また新たな目標を立て、というのを繰り返している。

海外というのは、僕が自分自身の人生にギアを入れるきっかけとなった。

この頃から、それまでと比べて日々に楽しみを見出だせるようになってきていたので、誰もが目標を持ち、挑戦すべきだと思うようになっていた。

だから、同じように海外や英語学習を志す人、エンジニアとしてフリーランス独立を目指す人たちから相談を受けると、僕なりのアドバイスをしてきた。

ただ、僕のアドバイスの内容は一貫して、「基礎を学び続けながら、話す、聞く、読む。作る、試す、見せる、をひたすら繰り返すこと」である。

海外に行けば英語力が伸びるなんて容易い話ではなく、教材を学べばエンジニアになれる、なんて簡単な話でもない。

どの分野も業界もそうだが、世の中は供給で溢れている。
当たり前だが、自分がいなくたって世界は問題なく回る。

著名人や要人が亡くなったとて、僕たちの生活は変わらない。
であれば尚更、人がひとりいなくなったところで、世の中的には全くもって、ノーダメージのはずだ。

その上で、自国を離れて海外へ行き、違う文化、違う言語と共に生活をするには、相当の覚悟と努力が必要だ。

あるいは、その道何十年というベテランのエンジニア達が集うIT業界に、独り単身で駆け出しが飛び込むということは、あまりにハードルが高すぎる。

だから、決して慢心してはいけない。自分の事を求めている人がいない世界で、自分の事を必要としてくれる需要を作り出すには、毅然と腹を据えておかなければいけない。

きっと僕のアドバイスは、想像以上に泥臭いものだと思う。でも、これが僕の本心だ。

しかし、僕のアドバイスを実際に取り入れる人は非常に少なく、僕が見る限りでも多くの人が、掲げていたはずの目標をいつの間にか忘れ、海外生活を後にする。

もしくは、ウェブ制作やノーコードツール、Bubbleの学習を始めたはいいものの、数ヵ月、あるいは一年ほどで脱落していく。

今、僕は海外生活にもかなり慣れ、日々降りかかる出来事に、自分なりに対処できるようになってきた。トラブルに巻き込まれて裁判を起こそうとしたこともある。

フリーランス独立しているので、必要があれば税務署 (ATO) にも電話をしたり、お金の仕組みや、オーストラリアの税制にも随分と詳しくなった。

最近は、フリーランスやエンジニアとしてひとつ、ステージがあがったような感覚でいる。
しかし、実際に今の状況になると、想像以上のプレッシャーが僕を襲う。

海外生活やフリーランス独立なんて、リスクの塊でしかない。
それを実現し、継続し、さらに発展させていくには、毅然と腹を据えて、成長し続けるしかない。

現状維持は、衰退だ。
周りの人たちは成長し続け、世の中は変化し続ける。

特に海外生活、フリーランスにおいて、現状維持であることは衰退どころか、その分野からの撤退を意味することもあるだろう。

また、自分自身が成長していくと、掲げる目標や夢の解像度が大きくあがり、それが実現可能か不可能か、より細かい粒度で熟考するようになる。

海外生活を志した頃、プログラミング独学を始めた頃は、僕も「夢はでっかく」と思っていたが、リスクを取り続けるこの生活は、全員にオススメできることではない、と最近は思う。

なぜなら、進み続けた先にあるプレッシャーは、想像以上のものだからだ。
自分の決断を実行し続けるには、想像を絶する責任が伴う。

独立して自分のビジネスが成長し続けると、そのうち確実に人を巻き込むことになる。うまく行けば彼らの生活を豊かにできるが、ひとつ間違えば、彼らの生活をぶち壊してしまうことだって簡単にできる。

海外生活をしながら、どこからでも働けるフリーランスエンジニアである僕は、人から羨ましがられることが多い。

「すごいです。そんなふうに生活してみたいです。」
「パソコン一台で稼ぐって憧れます。」

だが、夢の解像度があがると、挑戦に伴う痛みを感じるようになる。

それでも僕は、今の自分の生き方が好きだ。
これまでも、想像以上の痛みに耐えながら、前に進んできた。
自分が掲げた夢に向かって挑戦し続けることこそが、きっと僕の生き方だ。

最大限にリスクヘッジをしつつ、一番リスクが伴うであろう選択をする。

どうせ半年先、一年先には、今より成長した自分がいて、今は考え付かないような悩みやプレッシャーを、そのときは感じているのだろう。

それを体験するのが楽しみだ。

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