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新しい住まいの企画
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大学の授業の一環で、新しい住まいの設計をおこなった。
制作プロセス -week1-
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まず初めにアイディアの発散と絞り込みを実施。
気分の落ち込みを自律的に向上させることを目的として、その手段をブレストした。ターゲットを新社会人とし、気分の落ち込みに対して、自宅にいながら自然に向上させられる方法、という方向性を決めた。
自宅にいながら癒しを感じられる仕組みとして、床がビーチのようであればどうか、というアイディアのもと、自宅近くの海に赴き、海に足をつける、という発想をプロトタイピングしてみた。
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制作プロセス -week2前半-
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海岸の砂と海水を持ち帰り、チームメンバーで実際に足をつけてみて体験を共有。確かに気持ちよかったが、水を床に配置するには、実装面で色々と課題があるため、もう少しアイディアを発散させてみることにした。
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足の裏の感覚の気持ちよさ、という概念に立ち戻って再度ブレストを実施した。
制作プロセス -week2後半-
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リアリティのある発想をするため、イケアのショールームを探索。
そこから、ビーズクッションの中身のビーズを使う、というアイディアを着想。実際に中身を買ってきて、足で踏んでみる、というプロトタイピングを実施。
ビーチというコンセプトからピボットし、床の一部をビーズのような細かい粒の感触を得られるフロアにする、というソリューションを最終案とした。
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プレゼン
「粒々がある床を持つ住まい」として「粒々荘」という住まいのかたちをプレゼン。粒々の床と家具を天井から吊るす、という発想のコンセプトマテリアル、イメージポスター、間取り図を作成して展示。
プレゼンテーションはユーザーがどのように過ごすかの寸劇を中心に行い、教授方にも実際に粒々の床のプロトタイプを体験してもらった。
リフレクションと感想
実現可能性というブレーキを取っ払い、妄想に近づける努力をした
初期段階では、チームメンバー全員が実現可能性を重視してしまい、面白いアイディアが出なかった。そこで「妄想する力」を意識し、一見実現が不可能そうなアイディアを出す、というスタンスを保ち続け、それをどうやったら実現できるか、というところに執着して取り組んだ。
それにより、チームメンバー全員がこれまでのボトムアップ型の発想から殻を破り、ビジョンドリブンでデザインしていく体験をなぞることができたと捉えている。
リアリティーのあるプロトタイピングを行った
考えついたアイディアはなるべくリアリティーのある形でプロトタイプを実施した。ビーチを再現してみたり、一人暮らしの家の実感を得るためにショールームに赴いたり、最終的にビーズも購入して実際に踏んでみたりして、手触り感のあるプロトタイプをした。そこから、一見妄想のようなアイディアも手触り感のあるアイディアへと落とし込んでいくことができた。
また、メンバー全員で体験を共感することで、チームのモチベーションやアウトプットの方向性を合わせていくことができた。
最終プレゼンテーションでは世界観を表現し、体験を盛り込んだ
説明をするにあたり、我々の世界観を表現する工夫をした。スライドを映すだけでなく、粒々の床や天井から吊るされている家具のコンセプトを形にし、イメージボードや間取り図を作成した。プレゼンの構成を、一方的にこちらから説明するだけでなく、視聴者にも参加してもらう構成とした。画一的なスライド+説明、という方法だけでなく、自分達が伝えたいことはどのように表現すれば伝わるか、という点を基準に考えて、表現方法を工夫することに取り組むことができた。