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市民とつくるTV番組が、地域をおもしろくする

TV番組制作を地域の一般市民といっしょにおこなう。
「取材→構成→ロケ→編集」というプロセスを、NHKのTVプロデューサーと北海道の地方に住む市民が一緒に行う。
その過程において、制作に参加した市民が地元の面白さを再発見し、新しい出会いがあり、自身の可能性を広げていく。

番組制作を一般市民とおこなう

NHK札幌放送局が制作する番組【ローカルフレンズ滞在記】

番組の企画・制作に携わりたい人は、市民からの一般公募で募る。
取材では地方で生活している人々のエピソードにフォーカスしている。
これまで、30拠点100人以上のローカルフレンズが誕生している。

本番組は2022年度のGOOD DESIGN AWARDを受賞

GOOD DESIGN AWARDの受賞はNHKでは初とのこと。

ローカルフレンズになることの意味

ローカルフレンズになった人たちは、番組制作をきっかけに個人や地元の団体、役場などからもいろいろな相談がくるようになったとのこと。
そういった周りの期待に応え、感化され、ローカルフレンズとなった人たちは、個人での活動の幅も広げている。
そして、地元が前よりも好きになった、もっと地元に貢献する活動がしたいと楽しそうな表情をにじませる。

「番組をつくる」そして「発信する」という、創ること、表現することで、人と人がつながりあい、そこに主体性が生まれ、生きることが楽しくなる。

地方を取材する番組の意味とは

北海道の民法番組は視聴者の約半数がいる札幌の情報がほとんど。
市場原理にまかせておくと地方にメディアが全く注目しなくなってしまう。
地域の人が主役のメディアをつくれることはNHKの存在意義の1つであり、それによって、地域を元気にすることができると、担当ディレクターの大隅氏は本番組に取り組む意義を語る。

自己表現ができるのは仲間の存在

自分の考えを素直に表現する、ということは勇気がいる。
ローカルフレンズになって、自分の企画をメディアで発信すれば、当然、批判批評も耳に入る。それでもローカルフレンズの人たちが番組制作に関わり続けられるのはどうしてだろうか?
北海道の東にある知床半島北側、オホーツク海に面する斜里町のローカルフレンズ本人聞いてみた。
「それは、(自分の考えを)受け止めてくれる仲間がいるから。良い、悪い、といったことを忌憚なく言い合える仲間がいる」と本人は語る。
そしてNHK札幌放送局も、試行錯誤しながら彼らをサポートする体制、仕組みづくりに工夫をこらしていることも、担当の大隅ディレクターから伺った。

北海道のメディアは情報を伝えるという表層の下で、人を、地域を、面白くすることに情熱を注いでいる。

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