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業種・職種別の健康課題と対策

仕事の特徴を意識した対策

産業医として毎年多くの社員の方々の定期健康診断結果を拝見させていただいていると「同じ企業内だから」、「同じ業種だから」といって健康課題がすべて同じではないことに気づきます。例えばIT企業のように屋内でパソコンに向き合って勤務するケースと建設業のように屋外で勤務するケースを比較してもわかるように、職場環境や業務内容によって生活習慣や身体に及ぼす影響が違ってきます。健康経営では健康課題を把握して対策を行いますが、仕事の特徴を意識することで効果的に健康課題を把握し対策が立てやすくなります。では仕事の特徴とはどのように考えれば良いのでしょうか。

「規則的か x 事務系か」の2軸、4パターン

ここではシンプルに仕事が規則的か、事務系かどうかで特徴を捉えます。規則的という点は勤務時間のことで自分で生活リズムをつくりやすいかどうかを指します。事務系という点は業務で身体を使うかどうかを指します。

①規則的 x 事務系(管理部門、事務系など)

②規則的 x 非事務系(建設業、製造業など)

③不規則 x 事務系(サービス・接客業、営業職、SEなど)

④不規則 x 非事務系(トラック・タクシー運転手、医療介護職、ガードマンなど)

というように業種や職種を超えて、4つのパターンにわかれます。ではそれぞれのパターンでどのような健康課題が見られて、どのように対策を行っていけば良いでしょうか。

パターンごとの課題と対策

4つのパターンの課題と対策について簡潔に傾向を述べます。

①規則的 x 事務系(管理部門、事務系など)

【課題】眼精疲労・肩こり・腰痛、肥満

【対策】こまめな休憩、ストレッチ、運動習慣

②規則的 x 非事務系(建設業、製造業など)

【課題】高血圧、肥満

【対策】食生活改善

③不規則 x 事務系(サービス・接客業、営業職、SEなど)

【課題】生活習慣病、糖尿病

【対策】職場環境改善、ヘルスリテラシー向上

④不規則 x 非事務系(トラック・タクシー運転手、医療介護職、ガードマンなど)

【課題】脂質異常症、糖尿病、肝機能障害

【対策】食生活改善、運動習慣、禁煙

経営者や社員の健康に対する考え方も様々ですので上記が一概に当てはまるわけではありませんが、健康経営も一律ではなく、仕事の特徴と健康課題を理解し、意識した対策が重要です。

仕事の特徴「規則的か x 事務系か」による健康課題と対策傾向を理解して、個々に適した健康対策を行いましょう!

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