インタビューでホンネを引き出すには?
ユーザーインタビューなどの取材において「取材対象者のホンネを引き出すにはどうすればいいですか?」という質問を受けることがよくあります。取材対象者がタテマエばかり話してなかなかホンネを話してくれないという経験を多くの方がされているようです。実は本当のことを言っていないのではないか?という疑念の思いもあるのかもしれません。
ホンネが聞きたければホンネを話すこと
私の回答は至ってシンプルです。取材対象者からホンネを聞きたければ自分もホンネを話すことです。多くの取材対象者はインタビューという特別なシチュエーションに緊張しています。事前の質問リストに沿ってQ→Aを投げかけるという形式的なやりとりだと、取材対象者も回答者として間違った答えをしないようにと慎重になり、表面的で形式的な答えしか返してくれません。ホンネを引き出すようなインタビューにするためには、質問者と回答者という関係ではなく、お互いが対等に自然な会話のできる関係を作ることが大切なのです。
具体的にいうと、私は自分の意見や経験をよく話します。普通の会話とはそういうものだからです。よくインタビューの教科書には「自分の意見を言ってはいけない(誘導してしまうから)」と書かれていますがアレは間違いです。「実はこんな経験があったんだけど…」とか「私はこう思うんだけど…」と積極的に自分のことを話すことが大切です。そうすることで一方的に質問して答えを聞き出すような関係ではなく、対等に会話する関係を演出できるからです。
そして対等で自然な関係ができれば取材対象者がこちらの考えに誘導されるということもありません。それどころか一度きりしか会わないということも手伝って、身近な人に話す以上にホンネがこぼれ出してきます。
インタビュー取材に慣れないうちは、インタビュアーも緊張しますし、自然な会話をする余裕などないかもしれません。ただ経験を積むごとに緊張は減り、余裕も出てくると思いますので、取材対象者と自然にホンネの会話を楽しめるようになってもらえるといいなと思います。