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#9 失敗しない調査対象者リクルーティング

とてもマニアックなテーマで恐縮ですが。。。 リサーチを目的として実際の利用者あるいは仮想のターゲット層に対してインタビューや観察、ユーザーテストなどを行うことがあります。こういった場面でしばしば問題になるのがリサーチ対象者のリクルーティングです。具体的にはどの候補者が適切なのか選べない、想定する条件に合う候補者が見つからない、といった問題が起こります。このような対象者リクルーティングにおいてどのようなマインドセット、アプローチで臨むべきなのかを4つのポイントにまとめました。

    • ブルーインパルスと東京アラートと「想像力」

      これからの時代、「想像力」がとても大事になると思っています。 ここで言う「想像力」とは、ある事象に対して人々がどう感じ、どうリアクションするか?とか、その事象によって世界がどう変わるか?を具体的に思い浮かべるチカラ。不確実な変数が増え、未来が予測困難になっていく中で、分からないなりに取得しうる情報を集め、少ない情報の中でもどんなことが起こりそうかを想像できるチカラが問われそうです。 ブルーインパルスの背景にある想像力この想像力の観点で、ここ最近の中で私が秀逸だなと感じたア

      • アフターコロナ時代のマインドセット

        コロナパンデミックによってリモートワークやオンラインツールを活用した働き方の導入が進みました。しかしこれらはあくまでも表層的な変化にすぎません。本当に重要なのは、コロナパンデミックによって人々に「働くこと」への意味を問い直す機会がもたらされたことです。本記事では、アフターコロナ時代に仕事においてどのようなマインドセットや文化規範が求められるようになっていくのかについて7つのカルチャーコードにまとめました。 LEAN|不確実性を許容し、実践と学習を繰り返そうコロナパンデミック

        • #8 なぜ今、デザインリサーチをすべきなのか?

          コロナ騒動の今、デザインリサーチをすべきタイミングだと思うのです。 新型コロナの影響によってビジネスにも大きな影響が出ています。皆さんの企業でもその活動を停止あるいは縮小されているかもしれません。先行きの見えない状況ではありますが、こんなタイミングだからこそ、顧客や市場についての探求を深めていく絶好のチャンスとも言えそうです。 今だからこそデザインリサーチをやる理由 1. 未来への兆しを掴むコロナの影響によって今まさに生活者の価値観が大きく変化しています。働き方、暮らし

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        • リサーチのはなし
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          #7 コロナへの向き合い方に学ぶ、リサーチャーマインド

          昨日4月7日、東京都をはじめとして全国7都府県に緊急事態宣言が発令されました。法的な強制力はほとんどないとは言われていますが、それでも人々がより緊張感を持って日常の行動を変えていくのには十分な効果があると思います。 日本国内では1月中旬に初めての感染者が確認され、そこから3ヶ月ほどの間に少しずつ局面が変わってきました。大型クルーズ船での大量感染、ライブハウスなどでのクラスター発生、全国の小中高の臨時休校、オリンピックの延期決定、東京都の急速な感染者増加、志村けんさんの逝去…

          #7 コロナへの向き合い方に学ぶ、リサーチャーマインド

          リモートワークはツール論より組織論

          首都圏中心に自治体から外出自粛要請が出されて、いよいよ本格的に家の外へ出ることが制限されるようになってきました。ビジネスでもすでにリモートワークなどを活用し始めていた企業が多いと思いますが、その動きがますます強まってきています。 リモートワークが広がったタイミングで、zoomなどのオンライン会議システムやslackなどのチャットシステムを使い始めた組織も多く、そのハウツー記事もたくさん見られるようになりました。オンラインツールの効果的な活用方法を教えるセミナーもたくさん開催

          リモートワークはツール論より組織論

          #6 インタビューで使える5つのキラークエスチョン

          定性調査のメジャーな手法として活用されるインタビュー。より良いインタビューにするためには、インタビュアーとしてのスタンスや姿勢、作法が何よりも重要です。そういった基礎となる素養に加えて、インタビューを上手に行うためのちょっとしたテクニックもいくつかあります。 今回はそれらのテクニックのうちの一つである“使えるクエスチョン”を5つ紹介します。いずれもインタビューリサーチでの探索活動を助けてくれる定型の質問です。  Q1.ご両親について教えてくださいインタビューリサーチで対象者

          #6 インタビューで使える5つのキラークエスチョン

          #5 なぜ「リサーチをしても大した発見がない」と思ってしまうのか?

          「リサーチなんてやる意味がない」 「良い発見が得られた試しがない」 「どうせ今まで知っていたことばかりだ」 これらはリサーチをやらない理由としてしばしば挙げられます。リサーチ部門やリサーチ業界で働く人たちにとっては仕事の妨げになる厄介な問題かもしれません。 この背景には、実際にリサーチの質そのものが低い場合もあると思います。しかしその一方で、本当は良いリサーチができているのに良くなかったと思ってしまっているというケースもたくさんあります。成果が出ているにも関わらず、その成

          #5 なぜ「リサーチをしても大した発見がない」と思ってしまうのか?

          「デザイン思考」論についての違和感

          私は、デザイン思考について特別に好意的でもないですし、かといって嫌な印象も持っていません。ただ近頃の「デザイン思考」論にはどこかモヤモヤした違和感のようなものがあります。 つい先日も下記のような記事が話題になっていました。デザイン思考という理論・手法に対する考察は、とかくバズる気がします。「デザイン思考を導入した(つもりだ)が、結果が出ない」といった実感が多くの組織や人々に広がっているからかもしれません。 上記の記事についても、全体的には同意するところがほとんどです。ただ

          「デザイン思考」論についての違和感

          #4 リサーチの前にリサーチしよう

          クライアント:「●●のリサーチをやりたいんです。」 私:「なるほど。ちなみに現在のマーケットについてどう分析されてるんですか?仮説でもいいので。」 クライアント:「いや、何も分からないです。だから今回はぜひ●●調査をやりたいと思ってるんです。」 私:「(何もないはずないやろ…)じゃあ過去の調査資料とか社内会議用の報告資料とか見せてもらえませんか?」 クライアント:「過去の資料はどこに何があるか全然整理されてないし、お見せできるような良い内容じゃないので見ても仕方ないですよ。」

          #4 リサーチの前にリサーチしよう

          #2 リサーチの答えは自分の中にある

          つい先日、下記の記事が話題になっていました。「データサイエンスという言葉の響きだけで、実態とは異なる過度な期待や誤解を受けてしまう」といったような内容です。データやリサーチという手段ばかりに注目が集まり、あたかもそれらが万能であると思い込み、活用する人々のリテラシーこそが重要であるという観点が抜け落ちてしまっているためかもしれません。 リサーチワークでは、様々な手法やツールを使って情報収集を行います。そこで収集する情報は、顧客や市場またはそこでの活動などに関する様々なデータ

          #2 リサーチの答えは自分の中にある

          #1 知るとつくるをつなげる

          ビジネスにおけるリサーチの難しさや失敗の話は尽きません。マーケティングリサーチをはじめとする調査活動において下記のような問題は多くの方々が経験していることではないでしょうか。 ・リサーチしたのに新たな発見は何もなかった ・リサーチ自体は面白かったが、その後の施策開発に至らない ・探索や発見ではなく結論ありきのリサーチになってしまう ・目的が共有されずリサーチのフォーカスが散漫になってしまう 以下の記事でも指摘されているようにアンケート、行動ログ、インタビュー、観察、、、な

          #1 知るとつくるをつなげる

          失敗しないアンケート調査

          ビジネスでのリサーチ活動においてしばしば使われる「アンケート」という手法。リサーチ業界でも歴史的にメジャーな手法として扱われてきました。 便利な手法であるがゆえに、都合よく使われることも多く、その長所や短所を理解しないまま誤用されるケースもよくあります。そこで今回は、アンケート調査を正しく活用するために、アンケートの得意/不得意についてまとめてみました。 順序が逆になりますがまずはできないことから。 アンケートが探索系の調査に向いていないということは、多くの方が既知のこ

          失敗しないアンケート調査

          クリニカルイナーシャは本当に正義か

          Clinical Inertiaは「臨床的な惰性」と訳されます。Clinicalは「臨床の」、Inertiaは「怠惰、惰性」という意味です。臨床的な惰性(Clinical Inertia)とは、治療目標が達成されていないにもかかわらず、治療が適切に強化されていないことと定義されています。 分かりやすい事例として挙げられるのが糖尿病の治療です。 ●インスリン注射をすべきなのに注射を嫌がる患者を説得できずにインスリン治療が開始できない ●患者さんから内服薬を拒否されて生活

          クリニカルイナーシャは本当に正義か

          インタビューでホンネを引き出すには?

          ユーザーインタビューなどの取材において「取材対象者のホンネを引き出すにはどうすればいいですか?」という質問を受けることがよくあります。取材対象者がタテマエばかり話してなかなかホンネを話してくれないという経験を多くの方がされているようです。実は本当のことを言っていないのではないか?という疑念の思いもあるのかもしれません。 ホンネが聞きたければホンネを話すこと私の回答は至ってシンプルです。取材対象者からホンネを聞きたければ自分もホンネを話すことです。多くの取材対象者はインタビュ

          インタビューでホンネを引き出すには?

          インタビューメソッド#01<ヒストリーシート>

          人物取材の手法としてヒストリーシートがあります。取材対象者に過去から現在に至るまでの経験とそこでの感情の起伏を書いてもらい、行動変容や感情変化とその因子となった出来事などを洗い出そうとするアプローチです。 慢性的な疾患の治療経験、仕事のキャリア、エイジングと美容、お金や資産に対する考え、といった中長期的に変化していくテーマを扱うときに適しています。これらのテーマは対象者にとって様々な出来事が繋がった一連の経験であると言えます。したがってある瞬間だけの出来事やそこでの感情を切

          インタビューメソッド#01<ヒストリーシート>