パルケエスパーニャのVTuberコラボ
テーマパークは楽しくて勉強になる
USJネタも過去に書きましたが、子供が小学生になってからテーマパークによく行っています。
テーマパークはエンタメの究極系だと思っていますし、特に集客はどこも独自の取り組みをしているので、参考になる点も多いですし、単純に面白いです。
そして、関西のテーマパークはかなり行っているのですが、パルケエスパーニャについては診断士というかマーケティングネタとして面白いです。
パルケエスパーニャ(志摩スペイン村)とは
パルケエスパーニャというのは関西の私鉄である近鉄が運営している三重県の南部(志摩市)にあるスペインをモチーフにしたテーマパークです。
近鉄の路線が強い伊勢・志摩地域に観光客を誘客する目的で、開業されたのですが、オープンが1994年(平成6年)というバブル崩壊から5年後という最悪の時期であり、基本的には投資の回収はできていないようです。
それでも近鉄には志摩スペイン村には思い入れがあるようで、球団とスペイン村のどちらを手放すという話の中でスペイン村を残したという話もまことしやかに言われています。
パルケに行ったときのスケジュール
パルケエスパーニャを含む、家族旅行をしたのは2021年3月だったのですが、近鉄が出している企画切符「まわりゃんせ」で旅行しました。
1日目:大阪出発→鳥羽→忍者キングダム→おかげ横丁→伊勢宿泊
2日目:伊勢神宮→イルカ島→鳥羽水族館→真珠博物館→鵜方宿泊
3日目:パルケエスパーニャ→パルケエスパーニャのホテル宿泊
4日目:賢島→帰宅
スケジュール的には詰め詰めで相当大変でしたが、満喫しています。ハードすぎるので、マネはしない方がいいと思います(笑)
そして、2021年に行ったときでもパルケエスパーニャ自体は多少並ぶぐらいはお客さんがいました。
・・・とはいっても春休み期間にそれでいいのかというぐらいです。
パーク自体の感想
パルケエスパーニャはパークが広いので、混雑感は非常に少ないです。ご飯もそこまで並びませんでしたし、子連れで行くにはいい感じです。
ショーも見やすいですし、パレードも楽しいです。
アトラクションは絶叫系は乗らなかったんですが、それ以外はほとんど乗れました。
特に「オバケハンター3D ~360°の大決戦~」というアトラクションは40分ぐらい並びましたが、面白かったです。子供たちもとても喜んでいました。
それと写真映えするパーク内の場所は全てといえるぐらいで、景色が抜群ですし、城も凄く映えます。コスプレ写真を撮るのをメインでしている人もいらっしゃいました。
子供たちの評価もディズニーランドより高いです。(男ばっかりというのはあるでしょうけど。)
人とアクセスだけが足りない
ただ、パルケエスパーニャは非常にアクセスが悪いです。難波から2時間半かかりますし、名古屋からでも2時間となっています。
もっと大阪と名古屋に近いところに日本第3位のナガシマリゾート(名古屋から50分)と鈴鹿サーキット(名古屋から60分)があり、どうしてもそこで止まってしまいます。
お客さんの数も少ないです。コロナの影響が大きい2021年の数字で見ると以下の通りです。
2021年客数:100万人 (ディズニーランド:1200万人)
パーク部分の広さ:34ha(ディズニーランドの2/3)
※コロナ後のディズニーは3000万人
こんな状態で、「めっちゃいいテーマパークだけど人がいない」ということでVTuber(周央サンゴ)が取り上げたことで、バズりました。
正直、動画を見ないと凄さはわかりません。
VTuber周央サンゴ
私はいわゆるオタク寄りではあるのですが、VTeberについては全然知りません。
周央サンゴ自体は有名VTuberというわけではありません。VTuberランキングで見ても195位:ファン数50万人程度です。
配信内容をいくつか見たところ、個人的にはすごく面白いですし、対応も非常に丁寧・真摯ですし、すごく好感を持っています。
たまにニコニコ動画のランキングで上位に上がってくることもあるんですが、そこまでメジャーではないはずです。
なので、パルケエスパーニャの話については人気のVTuberとコラボしてという話ではありません。
本当に好きな人が、知ってほしいという思いで語ったというのが、コラボに至った本質です。
診断士目線で参考になる点
結局、マーケティングには熱意・愛情が大事だという話だったりします。コラボネタ・グッズについても本当に楽しんでやっているのを感じます。
そして、尖がったプロモーションが大切だということです。コンテンツが山ほどあって、競合も多数いる中で、相当に尖がらないと目立ちません。
プロダクトはもちろん大事なのですが、パルケエスパーニャの場合は内容は抜群なのに、プロモーションが普通過ぎてやっぱり目立たなかったんだと思います。
あとは、切り抜き・編集能力はすごく大切だということです。多分、切り抜きがなければ、ここまでの展開にはなっていないと思います。伝え方は本当に大事ですよね。
だからと言って、インフルエンサー展開についてはあんまりおすすめはできないので、好きな人とコラボするのは積極的にやった方がいいと思いますが。
そして大事なことはプロモーションは長い時間がかかるということです。今回取り上げているパルケの話も流れとしては1年間かかっています。
WEB作って、SNSアカウント作って、はい終わりではプロモーションにならないので、仕掛けるのも、運用していくのも長期間必要になるというのが大事なポイントだと思います。
周央サンゴコラボの流れ(長文)
総括
基本的に奇跡的としか言えないです。ただ、やっぱり、全員の愛情と行動があったからだったんだと思います。
一人のVtuberの発信
ファンによる切り抜きがアップ
志摩スペイン村・近鉄自体が積極的に動いた
時系列
2021年12月11日に雑談としてパルケエスパーニャについて話をしています。深夜のネタで、ゆるーいラジオな感じです。
この時点で、人がいないネタが受けています。
12月12日にツイッターのトレンド1位に志摩スペイン村がなっていることに社長が気づいたそうです。(深夜の時間帯)
12月13日に志摩スペイン村がツイッターで御礼をしています。
12月21日に「ぴぴ氏」による切り抜き動画がyoutube、ニコニコ動画にアップされます。テンポがよくて、これはすごく面白いです。
私はニコニコ動画でランキング上位になっていたので見ました。
(2024年2月現在:youtube129万回)
2022年5月7日に再度訪問をしたということで、雑談をアップしています。
2022年5月16日に再度切り抜き動画がアップされます。
(2024年2月現在:youtube220万回以上)
7月12日に「ぴぴ氏」が聖地巡礼した動画をアップ
2022年8月16日に案件としてパルケエスパーニャの紹介動画を公開
(2024年2月現在:動画再生数160万回以上)
12月29日にコラボネタが解禁されています。
2023年2月11日から4月2日の期間にコラボイベントを実施。近鉄でも大々的にアピールしていました。
https://www.parque-net.com/special/sango35339/
コラボイベントの結果
すごい効果が出ています。ただ、突っ込みどころも多すぎなんですが・・・
1.来場者数:23万6000人(前年比約1.9倍)
→コロナの関係などもあるでしょうが、前年比1.9倍は半端じゃない数字です。1.9倍でも混雑度合いがそこまでじゃないというのは・・・?
2.チュロスの売上:25倍の1,000本
→元々の売上が少なすぎ、25倍の在庫を持った志摩スペイン村の度胸、オペレーションどうなってるの?っていうのが診断士目線で疑問だったり。ただ、動画を見るとチュロスが食べたくなるのはよくわかります。
3.ネタにされていたアトラクションの入場者数:10倍
→コラボの一番の見どころですが、誰も入っていなかったところが満員だったということです。そもそも10倍入れるってどういうこと?
4.フォロワーの増加(2022年2月:1万人→2024年2月現在:7.8万人)
→フォロワーがとんでもなく増えています。これは純粋にすごい。
5.コラボグッズの販売
→早々に売り切れ、その他グッズにも波及。
2024年コラボの流れ
そして2024年、パルケエスパーニャ30周年イベントとして再度コラボするみたいです。
2023年9月22日に以下の動画がアップされています。
2023年12月14日にコラボ企画解禁
コラボネタ公開(コラボ期間:2月10日~5月10日)
周央サンゴコラボで大成功したからなのか、もう一人のVTuberを巻き込んでさらに展開するみたいです。
壱百満天原サロメというのはかなり人気のVTuberらしいので、今年の春の集客はすごくなるのかもしれません。
ホテルの予約を見ても、土休日はほぼ全滅、平日もかなり埋まっていますし。
記事を書いた理由
最初の切り抜き動画を見て感動したのと、いつか流れをまとめたいと思っていたのと、新しいコラボをされるということなので、合わせて書いてみました。
大阪からだと、「まわりゃんせ」で行くとバグっている価格で行けるので、ぜひ一度行ってみては?