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健康保険の意義

「国民皆保険」
「健康保険制度」

最近の報道では、
健康保険を悪用した
医業、あはき業、接骨業、介護業が
激しく非難されている。

私も
接骨院を開業している関係上、
健康保険を仕事で取り扱っております。
しかし、
この10年間にも及ぶ
健康保険取扱いにおける
取り締まり強化の影響を
日々戦々恐々と感じております。

確かに
報道されているように
不正を働いた関係者は、
罰せられるのは
当然です。
そのような現状を
野放しにしていた
業界も
襟を正さなければなりません。

しかし、
改めて考えて頂きたい。

本来、
健康保険制度は

「償還払い」

原則となっていたのを
国保連合会、協会けんぽ、保険組合が
保険請求手続きの簡略化の為に
療養費の委任事務を
院内窓口業務に委託した経緯があり、
これを巧妙な手口で
搾取した者たちに対して
不満を覚えた者による
内部告発で
事件が
表沙汰になったようです。

マスコミでは
健康保険を使用している業界は、
全て悪いという論法が
正道であるという風潮に
報道として
流されてしまいました。

ならば、
昔の様に
償還払いにしてしまった方が
風通しが良くなると
考える行政や政治家も
増えております。

私個人としては
悪い考えではない
と思いますが、
問題も多い。

国内の医療費増加は、
ねずみ算的に増えてます。

あはき業と接骨業の占める割合は
⇒1〜2%
医科の占める割合
⇒98%以上

でも
病院で
健康保険が使えなくなると
国民の理解を得られないから、
まず手始めに
あはき業と接骨業を締め付けた後、
医科を締め付ける
こんな考えを持った人もいるようです。

「健康保険があるから
  安心して治療を受けられる。」

という言葉を
患者さんが口にするのをよく耳にします。

これは、
健康保険という保証があるから
安心という意味ではなく、

「ただ安い診療負担ですむから」
       安心だという意味です。

しかも
私たちに
安価を求め
さらに
高いクオリティをも求める
欲張りな患者さんが多くなり、
無理なオーダーを
要求されて
施術現場が
消耗してしまい
アクシデントが起こる。

患者さんは、
施術事故を起こされたら
鬼の首を取ったかの如く
責め立てて、
これまで誠心誠意尽くしてきた
医師や医業類似行為者
(あん摩マッサージ指圧師、
  鍼師、灸師、柔道整復師)を
死に追いやる。

死なせてしまえば、
病院や治療院から
賠償金を取れるだけ取って、
廃業に追い込む。

それが
患者さんの王道となって
久しくなりました。

だけど
無資格医業類似行為者は、
罰金50万円払って終わりです。
障害や死者が出たら
刑事罰が科せられても
服役すれば、
出所後、
いつものように
仕事を続けられるシステムです。
しかし、
国家資格者という者は、
全員が命懸けの仕事を
義務付けされているのです。

「罪も重く、
  自分の命は軽く、
   死んでも報われないように
    扱われるシステムで
     生かされています。」


確かに
不正請求に
手を出した者もおりますが、
その大半は
食べていけない事実が
原因であり、
そこに付け入る
頭の良い輩共が
犯罪に拍車を掛けて、
全てを台無しにしてしまった。

「どうして
   国家資格を持っているのに
     なぜ食べていけないのか?」

本来なら
治療行為をしてはいけない
無資格医業類似行為者が
職域を漁り、
付け焼き刃の知識をひけらかして、
国家資格者を
貶める行動に出たのが悪い。
彼らの知識は
医学と呼べるレベルには
到底至っていないのが実情です。

お金さえ払えば
医学部で
臨床解剖した後の検体を
見せてくれる医療会社もある。
しかし、
国家資格レベルの医学とは言えない
陳腐なものだ。
マスメディアも
無資格医業類似行為者の口車に乗せられ、
これを焚きつけたことで
より悪化して、
業界が立ち直れなくなってしまった
事実がある。

だから
健康保険制度から、
介護保険制度から、
締め出されるのは当然だ。

「代わりに
  締め出した国家資格者を
   無資格医業類似行為者と
    同じ土俵で潰し合いをさせて、
     そこで生き残った連中を
      更に法律で取り締まる。」

という考えが、
今の時代の流れとなっている。

果たして
整骨院、
接骨院、
鍼灸院、
マッサージ院、
指圧治療院は
生き残れるのでしょうか?

各業界団体は、
健康保険制度を守ろうと
必死ではあるが、
社会的立場は
圧倒的に不利で、
無資格医業類似行為団体は
自分達の都合良い
お金にうるさい政治家を雇って
健康保険制度取消しを
議案書に提案している話もある。

遠くない未来に、
健康保険は
国公立指定病院だけに適用され、
他は全て実費になったなら、
国民は気づくのでしょう。

この時代を
大事にしなかった
ツケを払ってしまった
事実を知るのでしょう。

これは
年金問題と同様に
社会保険事務所時代の負の財産のツケを
国民が払っているのです。

各健康保険組合から
患者照会というアンケートが発送されて、
その効果が
目に見えてまいりました。

最近は、
家庭訪問という形式も加わり、
 ①健康保険組合担当者
 ②健康保険指導管理者
 ③看護師
3人1組で
接骨院、
マッサージ院、
鍼灸院に来院している
患者さんをターゲットに
「行ったらペナルティーを付けますよ。」
という具合に
圧力をかけて回っておられます。

数年以内には、
接骨院、
マッサージ院、
鍼灸院では、
健康保険、
鍼灸マッサージ券は使えなくなり、
病院だけ使えるようになるでしょう。

私の周りの柔道整復師の中には、
すでに健康保険を使わないで、
治療をおこなう方々も出てまいりました。

これからは
接骨院、
マッサージ院、
鍼灸院、
整体院、
リラクゼーション、
エステサロン、
筋トレセンターなどとの
過当競争に突入し、
生き残りをかけた
壮絶な闘いを繰り広げることでしょう。

つまり

「資本力の強い者が勝つ時代」

なります。

すでに、
お金のある人しか
理想的な医療、
必要な治療を
受けることは出来ない
格差社会が始まっているのです。

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