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木陰のピッチ大会から生まれたシナジーとは ~「やりたいことがある!」をみんなに話そうの会~
恵那市笠置町という小さな山村に可能性を感じ、何かをやりたい、と思っている人たちと出会いたい。
そんな思いから行政の協力を得て、ワークショップを開いた。
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このnoteでは筆者が岐阜県恵那市に移住して12年の農村暮らしから見えた視点をお届けしてます(所要時間2分)。
「人」が主役の新しい地域のために
主体となったのは、かつて恵那で地域おこし協力隊だった仲間たち。
これまでも、地域の魅力を住民が再発見する、という趣旨の場は何度も開かれてきた。
だが、この地域の魅力は?という問いに対して、いつも同じことしかあがってこない。何なら同じ人たちしか集まってこない。
わかってはいるけど、じゃあ誰がやる、という話にいつも辿り着く。
それなら、まだ他の人が気づいていないとっておきの地域の魅力を活かして、自身が「何かやりたい」と思っている人同士がつながり、情報を共有すれば、何か形になっていくかもしれない。
地域の魅力や資源を掘り起こすのも大事だが、まずはこの地域に思いのある人が実際に動きだすことが、トリガーになるかもしれない。
人あってこその地域。
地域の中の人だけでなく、この地域が好きで関係を持っている外の人も対象として「やりたい!」を引き出すための場を準備した。
会場に選んだのは、笠置のふもとを流れる木曽川のほとり。
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開放的で美しい緑が眺められるこの場所だからこそ湧き出す思いもあるだろう。
当日は好天にも恵まれ、20数名が内外から集まった。
木陰のピッチ大会から生まれたシナジーとは
前半では希望者によるピッチタイムを設け、今自分が考えている「やりたいこと」をプレゼンしてもらった。
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ピッチと言ってもここには投資家がいるわけではないが、アイディアの実現に向けてまずは地域に自分を知ってもらうことが肝心だ。
外の人は今まで思いもつかなかった資源を価値にかえる事業案や、外部との連携で資源の価値を膨らませることのできる提案を持ち寄ってくれたりもした。
地元の若者が地域愛を語り、地域を大切にしたいと語ったことに、地元の年配の方が心うたれて応援したいとも。
きっといつも、老いも若きからも「もうどうしょうもないよ、この地域は」という声に囲まれてきたのだろう。
前向きな話を前提としたことが、このような気持ちの変化を引き出せたのかもしれない。
後半のグループトークでは、それぞれの案が地域に根差した深みのあるものになるために必要な地域の文化や課題についての理解を深め合ったり、地域からしか出てこない貴重な情報の交換が自然発生していた。
これまでの資源ありき、の話合いから、どうしたらこの案を実現できるか、という逆算と相互作用が生まれていた。
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地域として方向性を定め、みんなで一緒に、と行動していくことも必要かもしれないが、すでに「ここでこんなことやりたい!」と考えている個々人を大事にしたい、という会の目標はおおむね果たせただろう。
これらの話合いがどのように実を結ぶかはわからない。もう少し回も重ねていく必要があるだろう。
もしかしたら、今日こうして人やアイディアが集まったことで、地域おこし協力隊の活用も視野に入ってくるかもしれない。とかく地域とのミスマッチが問題になるこの制度も、制度ありきではなく、こうした人とアイディアの交流から検討されていくのが望ましいだろう。
ともあれ、この美しい景色の中、気持ちの良い木陰の下に笠置が好きという思いが集まったことや、集った人達そのものが尊いと感じた。
個と地域が協働するまちづくりへ
オレ自身、協力隊という立場を離れて何年もたち、何ならまちづくり、というところから離れた一個人としての住民になろうとしてきた節があるので、久しぶりにみんなと一緒にまちづくりに関わる機会となった。
今回、立ち上げからいろいろ統括することになったので、大変ではあったが、当日の活気に接して、何かが始まろうとしているワクワク感を久しぶりに味わった。
一人ひとりから湧きだす「やりたい!」を周囲が理解しサポートしながら、大きな「地域」を形作っていく、そんなあり方がこれからは必要だと思ったし、自分も一人のプレイヤーであり続けながら、これからはまた全体を考える場に関わっていくフェイズに入ってきたと思った。
一個人として取り組んできたことは、それはそれでオレにとってはかえがたい経験となって今に生きているのは間違いない。
だが同じ方向性を持つ人と協力することで、動かせなかったものが動く、という可能性があることも、はたから見ていて思うところがあったので、再びまちづくりに関わるのには、ちょうどいいタイミングでもあった。
時間はいろんなものを育ててくれる、ということも感じた一日であった。