#9. ドウロとポート、5つの重要な品種(少しマニア向け)
こんにちは、72season'sアドベントカレンダー10日目です!
今日はドウロとポートの主要品種についてお伝えしたいと思います😁
5つの主要品種
1970年代に、José Ramos Pinto Rosasという人と、João Nicolau de Almeidaという人によって、特に素晴らしいポートワインを生み出す5つの品種が特定されました。それが以下の5つです。簡単に紹介していきたいと思います。
Touriga Nacional
赤ワイン用として最高の品質。ポルトガルで一番有名、一番高貴といえるでしょう。ドウロやダォンで多く栽培されています。収量が低いですが、色とタンニンが豊富で酸もしっかりしているので、長熟可能なワインになります。凝縮感があり、黒系果実と花の香り(バラやスミレ)が感じられるほか、ハーブ(ローズマリー)やリコリスのようなニュアンスもあります。
Touriga Franca
トゥリガナショナルの陰に隠れがちですが、ドウロとポートの柱の品種の一つであり高品質なブドウです。Douroの5分の1程度と最も広く栽培されています。色が濃く、かつエレガントで、ブラックベリーの香りが豊か。またフローラルなニュアンスも。シルキーなタンニンが豊富で、熟成力を高めてくれます。品質以外にも、病虫害への耐性が強く、収量が高いのが強みです。
Tinta Roriz
スペインではテンプラニーリョと呼ばれる品種です。ドウロではティンタロリスと呼ばれている。芳醇で生き生きした赤ワインになります。エレガントさと重厚さを兼ね備え、ベリー系の香りとスパイシーな香りが特徴。
Tinta Barroca
これもDouroで広く栽培されている品種です。単一品種で見ることはありませんが、ほとんどのDouroのワインにブレンドされており、タンニンは控えめですが、色が濃いのが重宝されます(果皮が薄いが色が濃いため)。ブレンドにプラムやチェリーのような香りを加えてくれます。収量が高い上に糖度も高く、さらに病虫害に強く安定して収量が期待できるのが強みですが、熱波や水分不足には弱く、ブドウが突然過熟してレーズンのようになってしまうこともあるようです。
Tinto Cão
この品種はワイナリーにとってはあまり経済的ではない品種ですが、とても質の高いワインができます。タンニン、酸、糖度のバランスが非常によく、タンニンはしっかり熟します。分厚い果皮のおかげで、カビにも強い。じゃ何が弱みか?というと、とにかく熟すのが遅いことと、非常に低収量であること。農家やワイナリーにとってはあまり経済メリットのない品種であり、将来的には失われていくかもしれません。
でも実は、ブドウ品種はあまり関係ない
こんなことを言ってしまっては怒られるかもしれませんが...笑
せっかく主要な5品種を説明したわけですが、ドウロ渓谷において、ブドウの品種は実はあまり重要ではありません。というより、ワインを品種で語るのが難しい地域なのです。
というのも、ワインが単一品種で作られることがほとんどありませんし、多くはこの5つの品種よりさらに多くの品種がブレンドされているからです。認可されているブドウ品種はなんと100種近く!そしてその構成比率も多種多様ときています。
これはドウロ渓谷に広く残っている「フィールドブレンド」の文化に理由があります。これについては少し長くなりそうなので、次回の記事にしたいと思います!😁
今日のまとめ
本日は主要5品種についてまとめましたが、結局、結論としては飲み手にとって「品種はあまり重要ではない」ということです、、笑
次回フィールドブレンドのことや、ポルトガルのブドウ品種について続きをお話していきたいと思います!
読んでいただきありがとうございました😄