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#5. ドウロ渓谷(2)世界三大酒精強化ワイン「ポートワイン」の基本
こんにちは、72season'sのアドベントカレンダー6日目は、世界三大酒精強化ワイン「ポートワイン」についてお伝えしようと思います!
6日目になって薄々気付いてきたわけですが、このアドベントカレンダーはとりあえず思いつきでスタートしたため、想定読者も曖昧なまま進んでおります😂笑
今日はワインにそこまで詳しくない方にもポートワイン入門として楽しんでいただけそうな記事にしたいと思います!
そして、ポートワインだけでも複数の記事になりそうです。ドウロ地方大変!
ポートワインとは
前回はドウロ渓谷の一般的なワインのスタイルについて簡単に説明しましたが、同じドウロ渓谷で作られるもう一つのワインに「ポートワイン」というものがあります。
ポートワインを一言で表すと、甘口の酒精強化ワインです。
酒精強化ワインとは
酒精 = アルコールです。ワインにアルコールを添加し、通常のワインよりアルコール度数を強くしたものをそう呼びます。普通のワインとは少し違います。ちなみにポートワインの場合はアルコールは19~22%になります。
そもそもなんでそんなことするの、というと、アルコールを添加することによって、日持ちするようにするため。現代ではピンと来ないかもしれませんが、昔は船で長期間輸送していたのでワインが痛みやすかったのです。簡単にいうと賞味期限を伸ばすための処理だったといえます。
少しポートワインの歴史
17世紀は英仏戦争がありました。
フランスからワインを仕入れることができなくなって、英国商人は仲の良かったポルトガルにワインを求めます。
ヴィーニョヴェルデのワインは非常に薄いがタンニンが渋く(赤ワインの方)扱わなかったそうですが、英国商人はそのまま内陸へと旅をし、ドウロを見つけました。
そこでヴィーニョヴェルデとは正反対の非常に濃いワインができることを発見。
そして、いい状態で国に持ち帰るために酒精強化するようになります(単に口に合わなかったという説もあります)。
ポートワインの種類
赤、白、ロゼすべてありますが、メインは赤です。
私自身は、白やロゼも好きですが、今日は赤をメインで話したいと思います。
ポートワイン(赤)の作り方
ワインは、ブドウ果汁の糖分を酵母という菌が食べてアルコールを発生(アルコール発酵)させることによってワインになります。
ポートワインの作り方を一般的なワインの作り方と比較すると図のようになります。
高いアルコールを加えることで、酵母を死滅させ、発酵を人為的に止めることによって、糖分が残って甘口のポートワインができるのです。
ちなみにアルコールを加えるタイミングは、アルコール発酵のちょうど中間地点ぐらい、アルコール度数5~9%程度のときです。
赤ワインは、発酵中に果皮と果汁が長く接触することで、果皮の色やタンニン(赤ワイン特有の"渋み"の成分)がワインに抽出されます。
しかしポートワインは5~9%までしか発酵させないため、赤ワインで重要な色やタンニンが十分にでてきません。
そこで(上の図では省略しましたが)銭湯の湯船みたいな石の桶の中で、ブドウを足で踏み潰すという作業をします。テレビ等で見たことがある方もいるかもしれません。→ Google画像検索 でご覧ください。
実際はいまはほとんど機械化されていますが、ポートワイン特有の文化として、一部のワインに使われています。
ポートワイン(赤)のタイプ
さあ、今日も長くなってきました。予定を変更して、細かいタイプ分けは次回に回し、今回は一番大きい分類だけ紹介しようと思います。
赤のポートワインは、色によってさらにルビーとトゥニーに分けられます。
そのまま、ワインの見た目の色を示しています。
ルビーは赤紫っぽい色(参考)、トゥニーは茶色っぽい色(参考)です。
ルビータイプはフルーティで若々しい感じ。ブラックチェリーやブラックベリーのような甘い果物の香り、シナモンのようなスパイスの香りが感じられることがあります。
トゥニータイプは、乾いた感じ。フルーツといっても新鮮というより、レーズンのようなドライフルーツの香りです。さらにはナッツやキャラメルのような少し焦がしたような感じがあります。
これらはカジュアルなポートワインで、2,000円程度で手に入ります。
ボトルには写真のようにでかでかと「TAWNY」「RUBY」と書いてあるので、見つけやすいと思います。
今日のまとめ
今日はポートの基本についてまとめました。ぜひお家でのデザートワインとして、ポートワインいかがでしょうか?
ただし、ポートワインはルビーとトゥニーだけではありません!明日はポートワインのさらに細かいタイプもお伝えしようと思います。そちらも読んでいただき、気になったポートワインを買ってみてはいかがでしょうか?
それではお楽しみに!