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今あるのはMFフィルムカメラばっかりだけど、デジタルだって欲しい。 初めて買ったカメラはペンタックスLX。

初めまして。今日からnote始めた ささじあきひで です。

さて、写真好きなんですが、今持っているカメラは、

ニコンFM3A、FM10、ライカM3、バルナックⅲb、オリンパスPEN-FT、ローライフレックス スタンダード、キャノンのレンジファインダー、Petri、LOMO。
見事に機械式フィルムカメラばっかり。(LOMOのトイカメラ以外)

私はどの世代かって言うと、洋楽の知識を得るのに「FMレコパル見て、ラジカセでエアチェック。」って世代です。

その頃はデジタルカメラ無かったですし、AFすらありませんでした。
フィルム、MFにこだわっているわけじゃないんです。いや、好きですよ。フィルムの画質もフルマニュアルで写真撮る事も。
でも、デジタルだって欲しい。
デジタルカメラでファイル枚数気にせずに、連写したいです。
ニコンのZ8かZ9でニコン本気のZレンズで撮りたい。

でも、高くて手が出ません。いっぱいカメラ持っているけど、売ろうとしても二束三文。。比較的高価なライカM3にしたって10、20万円です。

各社のフラッグシップ機がミラーレス機に移行して、ますますデジタル化の恩恵を受けていってる気がします。ライカM3の静かなシャッター音に衝撃を受けた身としては、ミラーレス化によるサイレントシャッター音にも魅力があります。メカシャッター廃止による驚異的なシャッタースピードも魅力があります。
EVFで撮れる画像が見れちゃうのも、魅力があります。
鳥など、AFで追わせて、ショックレスで連写して思いがけない姿を撮れちゃう事にも魅力があります。
RAWデータ現像で画像弄りまくってみたいです。

で、皆さん、カメラを選ぶ基準ってどうなさっているんですかね?
レヴューとかみると、AF性能とか画素数とか連写スピードとかですか?
バッテリー持ちを気にされていた方もいましたね。

フィルムMFカメラしか無かった時代にどうやって自分のカメラを選択していたのか?今とは基準が異なって面白いかな と思い、綴ってみようかと思います。

槍ヶ岳。毎年登っていた。福井からは遥か遠い。

⒈ 先ずはフィルム何使う?
私の時代、スタジオ写真家はほとんど例外なく大判か中判のフィルムを使う事が多かったです。
35mmのフィルムってのは元々、映写機フィルムの規格で、写真用フィルムも10%くらいの片手間にで製造していたのでは無いでしょうか?
たしか、ライカが35mmのフィルムを使い始めたと記憶しているのですが、それも、映写機フィルムを流用、が理由だった気がします。
プロでもアマでも本気で美しい写真を求める人はせめて中判にこだわり、多少の画質を犠牲にしても、携帯性、撮れる枚数、決定的瞬間を狙うような報道プロなんかは35mmを選んでいた気がします。

もちろん、35mmの方が機材もフィルムも安くすむのですが、当時はイイモノにお金がかかるのは当たり前、イイモノのためにお金をかけるのは美徳。という素晴らしい価値観の日本でしたので、中判にするか35mmにするか と言うのは随分悩みました。
と言うのも、私は山岳部に入っており、撮影対象は山岳写真、高山植物、生き物だったからです。山岳写真家でも中判を使っている人はゴマンといました。そういう写真家の写真集なんかは息を呑むほどの美しさ。
しかし、1ヶ月くらい山に籠るのもザラだったので、荷物は小さく軽い方がいい。。。。中判のカメラを選ぶと言うことはレンズも大きく重たくなると言うことで、山岳写真だけじゃ無く、植物や生き物も撮りたかった私は広角レンズのみで勝負ってことも出来なかったのです。
フィルムのフレッシュさという問題もありましたし。

ってなことで、最終的に35mmフィルムを使う事に決定。

⒉ 次に何を撮るかで、レンズの性能、バリエーションでメーカーを選ぶ。
先程チラッと言ったように、私の場合、山岳写真、それに付属して天体を撮りたいという事で明るい(f値が小さい)広角レンズは必須でした。当時からニコンのNOKTは有名でしたが、f値1.2で驚異の描写力と言うのは憧れでした。とはいえ、58mmは広角じゃありません。
広大な山岳写真や天体となると超広角の18mmとか20mmのラインナップが必要です。超広角って、レンジファインダー時代はポピュラーでしたが、一眼レフの時代になると、レフ板との干渉とかで、明るい超広角の設計が難しくなっていったようです。被写界深度の浅さを求めるような画角でもないし。
明るい広角があったのが、ニコン、キャノン、ペンタックスでした。オリンパスもありましたが、引き換えにハーフサイズでしたので。

次に植物ですが、お花畑はともかく単体で撮りたい時はボカしたいので、50mm付近の明るい寄れるレンズが欲しいです。マクロならベスト。ですが、当時、標準レンズとしては50mmの単焦点が付いてくるのが殆どだったので、明るい標準レンズであれば良し。としました。マクロとしてはニコン、オリンパスが優秀で、カールツァイスレンズのコンタックスって手もありました。
ここで、明るいレンズの性能を活かすために、シャッタースピードは速い方がいい、という概念が入ってきます。
山は日差しが強いので、せっかくの明るいレンズでも、シャッタースピードが遅いと絞らなければならなくなります。
そして、ここで、アサヒ(ペンタックス)のレンズは緑色の描写がたまらないらしいぞ という噂も聞きました。
植物を撮るには聞きづてならない噂です。

次に虫や鳥や生き物。
85mm、105mm、135mmくらいのやはりシャッタースピードを速く出来る明るい中望遠レンズが欲しい。奴ら、動きますし。
そういう事を考えると中判じゃ無くて、振り回せる35mmカメラで良かったのかなと。
山は天気がいい時は日差しが強いけれども、天気も崩れやすくあっという間に暗くなります。雷鳥なんかが現れるのはまさにそういう時です。
そういう時のために明るいレンズは是非欲しい。せめて1.8とか、2.0とか。
そういうレンズがあったのはニコン、キャノン、ペンタックスでした。
500mmとかもありましたが、MF時代は使えたもんじゃなかったです。
あれは報道やさん向けだったのではと。

ちなみに当時すでにズームレンズってありましたけど、暗いし、描写力ないし、写真を真面目にやりたいならズームは無しという風潮でした。
フレーミングは自分が動いて足で稼ぐモノだと教えられました。
でも、現代のミラーレスカメラ用のキレッキレのレンズから離れてオールドレンズで敢えて独特の描写を楽しむという点では古いズームレンズは安いし寧ろアリかも。

⒊ ボディを選ぶ。
普通なら、⒉までで後は好き好きでいいんです。
が、私の場合、堅牢性、携帯性、耐候性、なるべく電子部品がなく機械式である事が求められました。何故かというと、電子素子自体が高温に弱い事、更に冬山とか極端に低温の環境であると電子回路が働なくなる事が往々にあったからです。特にコンパクトカメラなど廉価なものだと対策は皆無なので、全く動かなくなります。これには色々理由があるんですが、電力源である乾電池が-30℃程になるとほぼ0Vになってしまうことが主原因だと考えられています。
無論、フラッグシップ機カメラの電池室が-30℃にまで下がる事はほぼ無いんですが、電子回路は環境温度、入力電力の増減変化に弱いです。意図した通りに動かなくなるという意味において。それでも電子制御化を進めるのには、物理的制御よりもはるかにコントロールの幅が大きくなるからです。
という訳で、電子化とは環境温度と電力一定化との闘いなのですが、当時の技術では堅牢性や機密性、使い方によってしか電子損傷を防ぐ手立てはなく、それでも通常使用においては問題無いものの、厳冬期の極限状態ではやっぱり不安で、なるべくなら、電子回路の無いカメラがいいと思った訳です。
私達のヒーローは植村直己氏で、彼が北極点到達のためにニコンがより堅牢性を高めたF2チタンを提供したのは有名でしたが、時代は電子制御のF3に入っており、緊急用の1/60メカニカルシャッターを装備していたものの各社で初めてプロ機に電子制御を施したのは賛否両論でした。F2は機械式。ニコンに憧れを持ちましたが、生産終了のモデルを中古で探すって発想は無かったです。特にカメラを買う手段が街のカメラ屋さんだけという田舎では。

そこで候補に上がったのがペンタックスのLX。
余談ですが、当時の感覚ではペンタックスってのはメーカー名というよりも、旭光学のペンタックスという分野みたいな感じで、ペンタックス機はアサヒって呼ぶ事が多かったです。多分、名機アサヒ6x7のイメージが強かったからでしょうか?中判カメラといえばマミヤかアサヒって印象が私にはあります。
先に言った通り、商業カメラといえば中判カメラで、画質のクオリティーは比べものにならないくらいで、まさか、現代で35mmがフルサイズでエラいなんて時代が来るとは夢にも思っていませんでしたよ。
そういう訳でアサヒには最初からいいイメージしかありませんでした。
が、アサヒは35mmのプロ機ってのは出していなかったのです。
そこで出してきたのがLX。
私を狙い撃ちにしたような防塵・防滴仕様。F3よりちょっと小柄。
至る所にシーリング ラバーがあります。
1/75〜1/2000のシャッターは機械式。
ファインダー交換可能。ローライフレックスのように上から覗けます。
植物撮りにはポイント高い。F3も可能ですが。
当時のスチル用フィルムではカラーネガに比べてリバーサルの方が鮮やかさで一枚も二枚も上回っていたけど、リバーサルは露出がシビアだったんですが、LXはフィルム面を測光する方式で露出精度が高いのも売りでした。

更に追い討ちをかけるように、世の中に衝撃を与えた宮沢りえさんの初オールヌード集「Santa Fe」を撮った篠山紀信氏が35mmではLXを使っているという噂が! (本当かどうか知りません。が、プロ用として使っていたとは思えないのですが、そこは勢いです!)

という順序でペンタックスのLXとペンタックスのレンズ群を生まれて初めて自分で買ったのでした。

初めて自分で買ったカメラ。アサヒ ペンタックスLX


⒋私の界隈では。
写真はフィルムとレンズで決まるみたいな風潮で、ニッコール使ってんの?ズイコー使ってんの?
みたいにレンズメーカーを気にする事が多かったように思います。
逆に廉価なサードパーティレンズを決めてからそれに対応したボディを選ぶとか。
マクロがいいレンズがあるとか。
望遠がいいとか。
フィルム談義も盛んでした。

⒌そしてペンタックスLXって。
LXは裏蓋とかにしっかりとシーリング ラバーが施されているのを確認するだけで、気分的に大雨大雪等悪天候でも安心して使えましたよ。
とかく、頑丈でした。
厳冬期でも電圧落ちると表示がファインダー内に出るので、急いでお湯タオルで温めたり。
噂のレンズの緑色も惚れ惚れ。
ペンタックスがリコーに吸収された時はショックだったなぁ。
アサヒって他のメーカーと違ってカメラしか作っていなかったですよね。
アサヒの製品、リコー面倒見てくれるんだろうか?

今、LX、どこにあるんだろう?
実家かなぁ。捨てられたかなぁ。
名古屋に就職で出てきた時は持っていたんだけど、アメリカに行った時には持って行かなかったんですよね。
あ、書いていたらLX欲しくなってきた。
買うか? いかん、ミラーレスが遠ざく。

当時の作例とかが無くて残念です。すいません。

次はフィルムの事とか今ある機材について書いていこうかと思います。
ミラーレス買えればそれについても!
画家でもあるんで写真と絡めて独自の目線で語ることができたらいいな。

長文、最後までありがとうございました。






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