【A LINE IN THE LAND:大地のラインが示すCitrus belt(かんきつ類地帯)】(みちくさストーリー③)

割引あり

 五日市の商店街から西側(檜原村方面)を望むと、一番手前に小高い戸倉城山(434m)がそびえています。この山をよく観ると向かって左側に傾いているように見えます。実はここには大きな断層(大地の割れ目で,ここで両側の地層が切れてズレています)が通っているため、地面が切られて左側が盆堀川の大きな谷になっています。このため傾いて見えるのです。ぼんぼり柚子はまさにこの谷の北側の南向き斜面が産地となっています。


 この断層線(断層が集まって構造線となります)は千葉県犬吠埼付近から本州・四国・九州を横断して沖縄本島の辺りまで続いている長大なライン(仏像構造線)の一部であるといわれています。この大地に引かれたラインより北側は約2億年前(ジュラ紀)に大陸に押し付けられた海から来た地層からなる地帯で秩父帯といわれます。南側は約1億年前(白亜紀)に同様に付加した海洋由来の地層からなる四万十帯です。地質図を見ると分かりやすいのですが、このように日本列島は何本もの断層線(大地のライン)を境に、東西に細長い帯がいくつも重なり合って形成されています。

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