幕間劇(?)アナとシマの再会
「シマさんなの?こんな所で出会ってしまうなんて…。」
声の主を見て僕は息を飲んだ。あれから10年、いや、それ以上経っただろうか。
「アナじゃないか!どこに行っていたんだ?」
いつもと違う道を散歩していて、突然いなくなった相棒に出会ったのだ。驚くなというには無理がある。
「もっと、あなたの役に立ちたかったけど、上が許さなかったのよ。」
アナは悲しそうに微笑んだ。
「何てことを…君は今だって輝ける。」僕は、シマ猫の僕は、アナログテレビに飛び乗った。
「この厚み、君にしかないだろう?」だが、彼女が、あの頃のように暖かな熱を放つことはない。
「自慢の電子銃だって、もう錆び付いたわ。たまには遊びに来てね。」
物置の奥で、僕たちの続編は始まる。
アナログ放送が終わって10年以上経っているのに驚きました。薄型テレビになったら、猫は困らないかな?とか、サザエさん家のテレビはどうなるのかな?とか思っていましたが、気がつけば、あの頃の未来にいてビックリです。何でも収まるように収まるのだなぁと。
駄文にお付き合い頂き恐縮です。心からありがとうございます。
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