好奇心と生活
読むことと食べることが好きです。自ずと小説や漫画などの食べ物に関心を持ちます。
何の小説かは忘れてしまったのですが、鮎飯が面白い作り方で作品中に出てきました。
ご飯を炊くときにお米に生の鮎を差して(乗せるのではなくお米に差すのです)炊きあげるだけです。炊き上がったら鮎の尾を引っ張れば、すーっと骨が抜けて後は混ぜるだけ。
我が家の炊飯器では縦には差せないので寝かせて埋めて炊きました。イヤイヤ、そんなに甘くはなかったです。けっきょく掘り出して、身だけ混ぜました。
考えれば分かりそうなものですが、そのくらい小説の鮎飯は魅力的だったのです。
鮎飯を食べながら、いきさつを話すと両親が苦い顔をしています。
聞くと、父が若い頃、小説で読んだドジョウ料理を再現しようとした話になりました。
鍋に水を張り、生きたドジョウをいれた父。火にかけて温まってきた頃、その鍋に豆腐を入れると熱さから逃れようとしたドジョウが豆腐に潜り込み、美味しいドジョウ豆腐が…できなかったと。
鍋には白くなって浮いたドジョウと熱々の豆腐が泳ぐばかりだったそうです。
母が「あんた達は…」と言いながらお茶を飲んでいます。経験値が圧倒的に多い母に何の反論もありません。
新妻だった頃、コロッケを爆発させ、またある日は二人分のカレー(新婚さん時代もあったらしい)にカレー粉(ルーではありません)を一缶入れて鬼のように辛いカレーを作った母が作ってくれた絵本のようなホットケーキやハートの女王が食べていそうなサンドウィッチは絶品だったのですから。
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