サロンオーナーの質問に答えました。
こんにちは。小規模サロン経営塾の大塚明恵です。
サロンオーナー様から質問頂きました。
Q:スタッフが日報を書いてくれません。どのように書かせたらいいですか?また、どんな内容を書いてもらうのがいいですか?
「スタッフが日報を書いてくれない」という声は、小規模のサロンを運営している方にとって切実な悩みかもしれません。
実は、日報を書くこと自体がスタッフにとって負担に感じられるのではなく、「何を書けばいいのか分からない」から書かないというケースが多いように思います。数字や業務報告ばかり求められて、義務的に書くものだと捉えられると、どうしてもモチベーションが下がってしまいがちです。
そこで、私のサロンでは日報の内容を「私に聞かせたいこと」や「こんなことをやりたい」というような、もう少しパーソナルで自由度の高いものにしています。
実際に来る日報には「今日はつくづく思い知らされる日でした」という一言だけが書かれていることもありますが、それは「大変なことがあった」という気持ちを伝えたいのだろうと受けとめています。
難しい業務報告や数字の羅列だけではなく、スタッフ自身の心情や、その日のサロン内での出来事が垣間見えるような内容にすると、意外と書きやすくなるようです。
さらに、書くタイミングも重要です。私のサロンでは、退勤する前に必ず日報を書く時間を設けています。書いたら終わりではなく、最後に日報を入力したスタッフが「日報を書いて送りました」というメッセージを送ることになっているので、「誰が最後に書いたか」が自然と共有される流れになっています。みんなが同じ一つのエクセルファイルに入力していくスタイルなので、自分が書いたことがすぐに他のスタッフや私にも見られて、ひとつのコミュニケーションの場として機能するんですね。
一つ一つのコメントはおよそ200文字程度にしています。具体的な例としては、「今日はこのお客様にはこういう対応をしたけれど、結果的にこれがうまくいった」とか、「こんな出来事があったので、事前にこれをやっておきました」といったものです。もちろん、売り上げなどの数字は別のシートにまとめていますから、数字以外で伝えておきたいことだけを気軽に書いてもらっています。そうすると、スタッフも「これは書いていいのかな?」と悩む時間が減るようで、日報が出てこない状況がかなり減りました。
ただし、スタッフがせっかく書いてくれた日報を受け取ったら、それに対して何らかのアクションやフィードバックをすることが大切です。毎日全員分に細かくコメントを返すのは難しいかもしれませんが、それでも「読んでいるよ」というスタンスが伝わるような声かけや、ミーティングでのフォローなどを心がけています。書いても反応がなければ、スタッフもそのうち「書くだけ無駄かな」という気持ちになってしまうかもしれません。日報はあくまでコミュニケーションのきっかけであり、そこから次の話し合いや行動につなげていくことが本来の目的なのだと思います。
もし日報を書いてくれないスタッフがいたら、まずは「何を書いていいのか分からない」状態を解消することから始めてみてください。数字や堅苦しい報告書ではなく、スタッフの気持ちや気づきを自由に書いてもらうスペースを用意するだけで、ぐんと書きやすくなります。そして、書き終わった日報を誰かが確実に受け取り、何かしらのフィードバックをする。そんな小さなやりとりの積み重ねが、スタッフに「書く意義」を感じさせ、サロン全体の雰囲気をより良くしていくはずです。