6月病
5月が終わって6月にはいると、
君は決まって憂鬱におそわれる。
そう決まっていつも、この時期に。
5月病ならぬ6月病。
憂鬱に襲われている君は
「たしかなことは○○ちゃんが好きなことだけだ」と言いながらまたすぐに布団に潜り込む。
わたしは「そうなの」とか「しってる」なんて言いながら、ぐしゃぐしゃになった頭を撫でる。今日も、類稀なる、芸術的寝癖。
憂鬱に襲われている君を
たまらなく愛おしく思ってしまう。
『あゝ遅刻してしまう』
なんて思いながら、だらりとむしあつい朝を、味わう。健全な役回りで不健全なのはどちら。
これもまた人生の愉しみか。
たしかなことは、憂鬱さえも愛おしく思うほど、私もたいがい狂っているということ。
これは、これで。