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すいか

2003年に放送していた「すいか」というドラマ。
当時、私は高校生で母と見ていた事は辛うじて記憶があるぐらいで
今まで、すっかり忘れていたのですが年末TVerで配信しているよと
母から連絡があり、改めて見てみることに。

主人公は小林聡美さん演じる信用金庫に勤める親離れができていない未婚の34歳。ある日、同期が3億円を横領して逃走するところから始まる物語。
過保護な母親から逃げるように家を飛び出し賄い付きの下宿に住み始めて、そこで出会う人や出来事を通して自分の人生を見つめ直すというような内容で
タイトルの通り、基本的にはのほほんとした雰囲気と世界観で、身構えず見られる面白ドラマという感じなんですが、ふと出てくる台詞や何かに確信を突かれるのが、このドラマのミソだと私は思う。

主人公が駅前でテレビ局の街頭インタビューに捕まり、唐突にカメラとマイクを向けられ「20年後の自分は何をしていると思いますか?」と軽いテンションで軽そうなアナウンサーに質問をされるが、すぐに言葉が出ず立ち尽くす主人公。
その時、主人公の頭の中には歳だけ重ねて今と変わらない職場で今と同じような業務をしている自分の姿が頭をよぎり、ひどく動揺する。

下宿先に帰り、少し年上の大学教授をしている同居人に、その出来事を話し「私は自分の20年後が見えるんですよね。あまり幸せそうじゃない20年後が」とポロリと漏らす。

すると教授は「それは、今あなたが思っているだけの未来でしょ。本当は20年後がどうなるかなんて誰にもわからないんじゃない」
続けて「20年先でも今でもおんなじなんじゃないかしら。自分で責任を取るような生き方をしないと納得のいく人生なんて送れないと思うのよ」と言う台詞が最近、私がぼんやりと感じていた事をハッキリと代弁してくれたようで胸に響いた。

高校生だった当時の私がどう感じて、どういう気持ちで見ていたかまでは記憶にないのですが、環境や周りの人のせいにして、自分の人生の選択する責任を放棄することの恐ろしさ、虚しさなんかを改めて考えさせてくれたドラマで今の私の背中を押してくれたような気がしたのでした。
余談ですが当時の小林聡美さんが今の私と同じ歳というのも、見ていて何だか感慨深いものがありました。
今の人生の中期目標は50代になったときに、生きることを全身全霊で楽しんでいるオバサンでいること。
歳をとることが恐怖や不安の対象じゃなく、自分の子どもや他の20代や30代の人達に歳をとることも悪くないと、むしろ楽しみ!と思ってもらえるような生き方をしていきたい。

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