低賃金に苦しむクラウドライターたちよ、君たちが稼げないのは能力のせいじゃない
現在、利用者数が80万人に達すると言われているクラウドソーシング。
その中でも最も多くの人が利用している業種が「ライティング」だ。
人気の理由は豊富な案件数と資格や技術がなくても誰でも参加できる敷居の低さにある。
大手クラウドーソーシングを手がける「ランサーズ」や「クラウドワークス」では、特別なスキルや契約なしでも受注できる「タスク」を用意し、連日多くのクラウドワーカーたちが仕事を受注している。
しかし、ブログなどのライティングの報酬は、驚くほど安いものだ。
クラウドワークスのサイト(http://crowdworks.jp/lp/mm/zaitaku/articles/230)
では、「大体1案件につき100文字~1000文字程度、1文字0.1円~0.8円程度」になると紹介している。
また、実際にクラウドワークスでライターをしている人から話を聞くと、「文字単価0.1円は当たり前。条件が良いところで文字単価0.4~0.6円ほど」だという。
なぜこれほどまでにクラウドライターの報酬は低いのだろうか?
ここでは、知られざるクラウドソーシングの実態についてせまっていきたい。
依頼者はなぜ低賃金で仕事を依頼するのか?
低賃金で仕事を依頼してくる人は一体どのような人たちなのだろうか?
大手クラウドソーシングに潜入して調査してみたところ、依頼者たちには一定のパターンがあることが判明した。
そのパターンとは、巧みな言葉でライターを引きつけ、ブログ記事やまとめ記事を依頼するというものである。
一例を見てみよう。
(以下、引用)
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本採用後の報酬●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○
・ 1記事あたり
・2000文字 1,000円
・5000文字 2,500円
・10000文字 5,000円
(引用はここまで)
いかがだったろうか?
一応補足しておくと、報酬はあくまで「本採用」後のもので、実際にはかなり低い単価で働かされることになる。
何も知らない経験の乏しいクラウドライターは、このような悪質な依頼に引っかかり、まともな報酬を手にすることはできない。
もちろん、クラウドワークスは、このような悪質な依頼者であっても完全に放置したままである。
資金を投じて、悪質な依頼者を締め出すことは容易であるはずなのだが‥・‥・。
話をもとに戻そう。
彼らはなぜ低賃金で仕事を依頼してくるのだろうか?
他の依頼者の案件を見てみると、「ブログに載せる恋愛ノウハウに関するニュース&コラムを執筆してほしい」、「サイトに掲載する健康食品の飲み方・ダイエット効果について書いてほしい」などと、ネット上の記事を代筆してほしいという内容が9割以上を占めていた。
ここからわかることは、クラウドライターに仕事を依頼してくるのは9割以上の確率で「サイト運営者」であることがわかる。
それでは、彼らの運営しているサイトを見てみよう。
例えば、最初の依頼にあった芸能ネタを掲載するブログ。
一見、何の変哲もない芸能ブログのように見える。
しかし、よく見てみると・・・。
アフィリエイトのバナーがいたるところに貼られているのがわかるだろう。
これは他の依頼者たちが運営するサイト、例えば「恋愛ノウハウに関するニュース&コラムを掲載するブログ」や「健康食品の飲み方・ダイエット効果を掲載するブログ」などでも全く同じであった。
どのサイトにもGoogle AdSenseやAmazon、楽天などのバナーが、サイトのさまざまな箇所に貼られていた。
依頼者たちの大半は低所得のアフェリエイターだった?!
これまでの調査結果からわかることは、依頼者たちの大半は、Google AdSenseやAmazon、楽天などから収入を得ているアフェリエイターであることがわかる。
彼らはアフェリエイト目的でサイトを作成し、その記事を代筆してもらうために、低価格で利用できる「クラウドソーシング」を利用する。
そして、アフェリエイトで得る収益が絶対にマイナスにならない程度の報酬をクラウドライターたちに支払うのである。
例えば、400字程度の記事を10本、500円で書いてほしいという依頼は、1記事あたり最低100円程度のアフェリエイト収益が得られていると推測される。
運がよければ、それ以上の収益が得られることもあるので、絶対に損をしない仕組みだと言うことができる。
ここまで分かれば、なぜ「まとめ記事」(かっこつけて言えばキュレーター記事)の報酬単価が高いかも明確になるだろう。
一般的な「まとめ記事は複数の商品を掲載するためにアフェリエイトリンクも複数貼ることができる。
そのため、アフェリエイトから得られる報酬も高くなるのである。
だが、彼らの大半はアフェリエイトでそれほど儲けているわけではないようだ。
もし本当に儲けられているのなら、(よほどケチな人を除いて)報酬単価を上げてもそれほど困らないからである。
つまり、彼らの大半は、どちらかといえば低所得者層なのだ。
クラウドライターたちよ、本当に稼げる場所で全力を尽くそう
ランサーズやクラウドワークスを利用しているクラウドライターたちよ。
君たちの中には、少ない賃金しか得られない自分を卑下している人がいるのではないだろうか?
「月収20万以上、稼ぐことができないのは、自分の能力の低さのせいだ」、と。
しかし、今まで述べてきた通り、それは間違っている。
ランサーズやクラウドワークスが作り上げている市場は、そもそも「お金のない人たちの集合場所」なのだ。
仕事を依頼する側がギリギリの状態が続く低所得層なのだから、君たちがわずかな額しか稼げないのは当然のことだ。
何も卑下することなどない。
君たちがするべきことは以下の2点だ。
1.クラウドソーシングに頼るのはやめよう
2. 本当に稼げる場所で全力を尽くそう
1.については、もはや言うまでもないだろう。現在、月収20万稼いでいる人も、突然稼げなくなる危険性はつきまとう。
お金のない人の集合所ではほどほどに稼ぐようにして、リスクを分散しておくのが賢い方法だ。
2.については、これからすぐに始めよう。例えば、依頼者たちの大半がアフェリエイトで稼いでいるのなら、そっくりマネして自分もアフェリエイトを始めてみよう。自分で思うようにサイトが作れないのなら、ランサーズやクラウドワークスで仕事を依頼すればいい。(もちろん、思いきり低い報酬しか出せないが。)
それから、収益を出せそうなものはすべてチャレンジしてみよう。例えば、このnoteでは簡単に記事を有料販売することもできる。書くことがないし、何も思いつかないという人は、ランサーズやクラウドワークスで経験したことを率直に書けばいい。
これからは「クラウドソーシング」がより注目されるようになるから、うまくいけばクラウドソーシングで稼ぐよりも高い報酬が得られる。
だから、間違っても「クラウドソーシングでの体験談を1500円で書いてほしい」という依頼に乗るのはやめよう。
すでに依頼者の中には、note上でクラウドソーシングの特集記事を書いて有料販売している。
そこで得る報酬は一人のクラウドライターが一年間で得る報酬の額を軽く超えるものであることはもはや言うまでもないだろう。
最後に
クラウドライターたちよ、君たちは何も悪くはない。
能力もあれば、稼ぐ力も十分にある。
ただ稼ぐ場所を選ぶのにつまずいただけに過ぎない。
まだまだ君たちはやれる。
本当に稼げる場所であれば、君たちは十分な収入を得ることができる。
あきらめるのはまだ早すぎる。
共に本当に稼げる場所で闘おう。