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【考察1】令和4年版「過労死等防止対策白書」を読んで考える

お疲れ様です。
アラフィフで起業を目指しています。

令和4年版「過労死等防止対策白書」が先日公表されました。

「我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」が書かれているそうです。うーん、相変わらずタイトルからしてお堅い。読む気が失せます。

資料は、大きく4つの項目に分かれています。
①労働時間やメンタルヘルス対策等の状況、②過労死等の現状、③過労死等をめぐる調査・分析結果、④過労死等の防止のための対策の実施状況

今回は、「労働時間やメンタルヘルス対策等の状況」について、私なりの解釈も含めながら、その内容を見ていきたいと思います。

労働時間やメンタルヘルス対策等の状況

①労働時間の状況について

ポイントを抜粋しました。
以下、すべて令和4年版「過労死等防止対策白書」第1章からの抜粋です。

【年間総労働時間】
労働者1人当たりの年間総実労働時間は緩やかに減少しているが、2021年は、前年を上回り、前年比 12 時間の増加となった。


【総労働時間】
パートタイム労働者の増加と、パートタイム労働者の労働時間の増加が大きく影響をしている。
・産業別にみると、「建設業」、「運輸業,郵便業」、「情報通信業」、「製造業」が全産業平均よりも労働時間が長い

パートタイム労働者が増えている理由は、「自分の都合の良い時間に働けるから」という理由が一番多かったと覚えています。
つまり「働き方の多様性」です。
自分の都合の良い時間に働けるなんて、自由そうで憧れたりもしますが、働く時間に関してはやはり長くなりがちなのかもしれません。

【長時間労働】
・長時間労働(月末1週間の就業時間が 60 時間以上)者の割合は減少傾向
・長時間労働は、40代・30代の男性、20代の女性で多い傾向にある
・長時間労働者の割合を5%以下とすることが政府の目標(現在8.8%)
・業種別に見ると、「運輸業,郵便業」、「建設業」、「教育,学習支援業」の順にその割合が高い

30代・40代の男性、そして20代の女性が長時間労働をしていては、少子化になるのも納得です。

【年次有給休暇】
・年次有給休暇取得は、10.1日と微増傾向。(1997年は9.4日)
・年次有給休暇取得率は、56.6%。(1997年は53.8%)
・政府の目標は、2025年までに有給休暇取得率70%以上
・会社の規模が大きいほど、年次有給休暇の取得率は高い傾向

政府の目標って現実的というか、意外に小さいですね。長時間労働を5%以下だとか、有給取得率が70%以上とか。長時間労働はゼロ有給取得率は100%が当たり前の社会だと思うのですが。
どうなんでしょうか?

【諸外国との差】
・年平均労働時間:日本は欧州諸国より長く、49時間以上労働者の割合も高い(特に男性)

男性が働きすぎなのは、女性に家事・育児を任せているからでしょう。海外と同様になるには、男性の家事・育児への参加が必須かと思います。

②職場におけるメンタルヘルス対策の状況について

ポイントを抜粋しました。
こちらも同様に、すべて令和4年版「過労死等防止対策白書」第1章からの抜粋です。

【メンタルヘルスの状況】
・強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は53.3%
・ストレスの内容については、仕事の量・仕事の失敗や責任の発生・仕事の質・対人関係(ハラスメント含む)の順で多い
・ストレスを相談できる人がいるとする労働者は92.1%
・相談相手は、家族・友人(80.1%)、上司・同僚(75.2%)の順
「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は10年連続最多(約35万件)
・職場でのいじめ・嫌がらせは8万件で約25%を占める

③自殺の状況について

【自殺状況】
・2021年は21,007人と、前年比74人の減少
勤務問題を原因・動機の1つとする自殺者の数は、ほぼ横ばい(1,935人)
・勤務問題を原因・動機の1つとする自殺者の割合は、増加傾向(9.2%)
・自殺の動機は、仕事疲れ・職場の人間関係・仕事の失敗・職場環境の変化の順で多い
・勤務問題を原因・動機とする自殺者の年齢層は、40代・50代・20代・30代の順となっている

毎年自殺数のデータを見ると心が痛くなります。
「仕事の量」、「仕事の失敗や責任の発生」、「仕事の質・対人関係(ハラスメント含む)」については、マネージャーが関わることができ、改善することが可能だと思いたいです。

そしてマネージャー職をしている一人として、一人ひとりのメンバーの心の声を聴き、寄り添っていきたいと思います。

まとめ

今回は、令和4年版「過労死等防止対策白書」の第1章「労働時間やメンタルヘルス対策等の状況」について見てきました。

コロナ禍で、労働環境は大きく変わりましたが、意外にも労働時間はあまり変わっていないことが分かりました。そして自殺者数も。

マネージャーは目を通しておく必要がある報告です。

次回は第2章「過労死の現状」について見てみたい
と思います。

おわり

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