短編 ネズミのルーレット
俺はレミングと言うネズミのことを思い出した。
詳しいことは分からない。唯一分かることは、その名前を思い出すと列をなしたネズミが次々と崖から海に身を投げ出す光景を連想してしまうことだ。
生存本能の一部としてそのような行動を取ってしまうのか、疑問がないわけじゃない。だが、ネズミが自殺するなんてことは信じちゃいないし、普段は気にもしない。しかし今、俺が置かれている状況は、不思議とレミングの末路を思い出させてしまうのだ。
こんな悠長なことを考えてはいるが、本当なら今すぐ大声を出しな