ハラスメントを誰に相談すればいいか。
あなたの会社に内部通報窓口はあるだろうか。
ハラスメントなどの被害を受けた場合、
人事や法務ではなく、まずはそこへ連絡するべきだ。
でも、そこにいるのは会社の味方の弁護士。
そこから一歩踏み込んで本当に解決したいのであれば、
匿名ではなく実名と部署を人事へ告げると言ってくる。
私は、そこで一瞬怯んだけど、実名で通報する道を選んだ。
でも実際には、内部通報窓口にたどり着く前に、
私は精神的に会社に行けない状態になっていた。
会社の通報窓口の連絡先を教えてくれたのは、
同じ部署の先輩だった。
私がハラスメント問題をいちばん最初に相談したのは
窓口でも上司でもなく、同性の先輩だった。
その先輩に現状や今後のことをLINEや電話で相談した。
その後、部長へ告発のメールを送った。
そのためにとった診断書は役に立たなかった。
結局私はその後出社停止の扱いで会社を休むことになったからだ。
同時に私は弁護士にも相談した。
でもこれはあまり功を奏さなかった。
弁護士には1時間1万円ほどで相談できるが、
「なにを相談したの?」という感じであしらわれた。
今思えばそりゃそうだ、と思う。
なんせ私は誰と戦うのかが明確ではなかったからだ。
ハラスメント相手を相手に民事訴訟でも起こすのか?
はたまた会社を相手に訴訟を起こすのか?
もし訴訟を起こすなら、
相手方が私に対してどういう損害を与えたのか明確にしなくてはならない。
だから、弁護士に相談する前に会社との話し合いが必須だと知った。
一方で会社にも社内弁護士がいる。
そういう相手と対等に話し合いをしていく上では、
弁護士の力は必要かもしれない。
私は損害を計算してもらう時に、個人弁護士に依頼した。
相談して一番救われたのは、警察の生活安全課の方たちだ。
110番に電話して、警察署に来てくださいと言われ当日すぐに行った。
集めた証拠を3人の警察官に見せると
「これは立派なストーカー行為にあたる」と言ってくれた。
親身になって話を聞いてくれて、涙が出そうになった。
今まで長い間これが普通だ、耐えなければと思ってきたことが、
「おかしい」と客観的に認めてくれたようでほっとした。
裁判で買ってお金をもらうより嬉しいことかもしれない。
部長や上司には期待しないほうがいい。
彼らは自分の保身しか考えていなかった。
「勇気を持って話してくれてありがとう」
という決まり文句がとても鬱陶しかった。
「警察にはすでに相談していて」という言葉は、会社側に響いたと思う。
安易に警察に相談したほうがいいとは言えないが、
あまりに行為がひどく証拠があるのなら、相談したほうがいいと思う。
ハラスメントの問題は会社が関わる以上、
本当に思っている以上に多くの人たちを巻き込んでいく。
ハラスメントを受けている傷を負ったのに加えて、
実名が会社の人たちに悪い意味で広がっていくことが
とても悲しい。
警察の他には、
弁護士ドットコムでいくつかの弁護士に並行で相談したり、
外部の組合組織のようなところにも相談したりと、
毎日誰かと電話やメールをしていた。
会社を辞めるつもりでいたから、
転職活動やフリーランス活動も始めていた。
だから、
ハラスメントでできた傷なんて癒す間もなく、
動き回る日々。
今でも証拠が捨てられない。
会社との会話や、ハラスメント相手のスクショ記録。
なぜか消せない。
相手をブロックもしていない。
だからといって受け入れているわけでもない。
でも、外部に相談する相手がいてよかったと思う。
そのためにはやはり証拠が一番大事だ。
いろんな人がいろんな立場で言ってくるけど、
そういう人たちからたくさん意見を聞いて、
自分が一番納得できる道を探ればいいと思う。